基礎のひび割れ!大丈夫?
基礎に入るひび割れには、いくつかの種類があります。
同じひび割れでもあまり気にすることのないひび割れだったり
構造上問題があるひび割れがあったりしますので、ここで紹介します。
※クラックは確かに悪影響を及ぼすものもありますが、RCの建物では数年たつと入ってくるものです
なので手抜き工事をしたとか、そういう話ではないということをまず頭に入れておいてください。
木造住宅でも、クロスに寄れが生じたり、隙間が開いてくるのと一緒で材料の伸縮による影響なのです。
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ヘアークラック
一般的にヘアークラックとは巾0.3未満で、深さが5㎜未満のクラックのことを言います。
簡単に言うと基礎に細かいひび割れが見える状態のひび割れのことです。
施工当初の乾燥伸縮による影響で発生する場合と
基礎(コンクリート)の劣化が原因で発生してくる場合とがあります。
基本的には新築の場合は数本のヘアークラックであれば構造上支障のあるクラックではありません。
強度に関しても問題はありませんので、許容範囲と言えるでしょう。
ヘアークラックはコンクリート、モルタルを使用していれば入る場合のほうが多いのが現状です。
しかし、問題ないからと言って全体的に無数に入ってる場合は見た目上手直しが必要になってきます。
また、鉄筋コンクリート住宅の場合は基礎とは表面積が違うため、雨水が浸透することにより
爆裂現象の危険性がありますので、気づいた時点で早めの対応をすることをお勧めします。
構造クラック
構造クラックは、幅0.3㎜以上、深さ5㎜以上のひび割れの事を言います。
表面だけではなく、内部の鉄筋までひび割れが届く場合もあったりします。
もっと言うと、裏側まで入っている場合もあります。
この場合は、クラック補修が必要となってきます。
しかし、RCの建物とは違い、住宅でこのような構造クラックが発生している場合はほとんどありません。
もし新築なのに構造クラックがある場合はコンクリートの材料や
施工方法に不具合があったと思われますので、プロによる点検を一度受けてみてください。
ひび割れの巾を測る専用スケール
クラック(ひび割れ)が起きる原因
主にクラック(ひび割れ)が発生する原因は4つあります
- 乾燥伸縮
コンクリートも木同様、内部に水分を含んでいます。
この水分が乾燥によって蒸発すると、コンクリートが収縮していび割れが発生します。
- 気温の変化
コンクリートはセメント、砂利、水を混ぜて出来上がるものです。
コンクリートを打ち込んでいるときに、「水和熱」が発生して
コンクリートの温度が上昇することがあります。
温度の上昇によってコンクリートは膨張しますが
温度が低下して外気温と同じになると収縮が始まるため
この温度差によってもひび割れが起こってきます。
- 地震
基礎打設後に地震が原因で、ひび割れが発生することもあります。
もちろん、数年、数十年経った基礎にでも発生します。
地震の大きさによっては構造クラックになることもあるので注意が必要です。
地震発生後には基礎の確認を欠かさないようにしましょう。
- 施工不良
コンクリートの配合を明らかに落とした場合、バイブレーションを適正にかけていないなど
そういった場合は施工問題があると思いますが、そういう業者は近年いるのか?
通常通りに施工はしていても、クラックは入るときは入ります。
施工不良と言われれば反論は出来ませんが、業者側も原因追究が難しいところです。
基礎のひび割れを補修する工法と相場を紹介
ホームセンター何などで売っている市販のアイテムでもひび割れを補修することはできますが
知識を持った人が処置をしなければ、単に「ひび割れを隠した」だけの処置となってしまいます。
専門業者に依頼した場合は以下のような工法でひび割れを補修してくれます。
アラミド繊維シート張り付け
相場 1メートル当たり 2~3万円
基礎に対してシート(アラミド繊維)を張ることによってコンクリートを補修、補強を
するもので、シートを張った後にモルタル等で仕上げて施工するものです。
※比較的大きいクラック又は見た目で明らかに躯体に隙間が出来ている場合の処置方法。
ビックス工法
相場 1か所当たり 1~2万円
通常のクラック補修はこの工法が多く施工されています。
プラスチックの容器に注射器のような入れ物にエポキシ樹脂をいれ
ひび割れた部分に注射器の先端を合わせ固定し、ゴムの力によって自然と
ひび割れの中にエポキシ樹脂が入っていき内部で固まるといった工法です。
Uカットシーツ工法
相場 1か所当たり 1~2万円
この工法はひび割れを広げないというよりは、ひび割れ隠すといった方法になります。
専用の電動工具でひび割れ部分をUの字にカットして
カットした部分にシーリング材などを充填してひび割れが広がったとしても
シーリングの弾力性により表面にひび割れが表れないようにス工法です。
構造クラック以外には有効な施工方法です。
一般の方にとっては、何処にお願いしていいか解らない事だと思います。
総合建設業とは、いわゆるゼネコン(工務店等)の事をいい総合的に建築の管理を出来る会社です。
そういう会社にお願いすることで、適切な判断が出来るのです。
実績が一番大事なところだと思います。
SNSやホームページで情報を集めたり、直接電話をして「クラック補修工事をお願いすることはできますか」
と直接聞くのもいいでしょう。
資格を持った業者であるかを確認
これについてもホームページ等で保有資格者の概要を載せている会社もありすので確認できると思います。
できない場合は、「保有資格者はそちらの会社にいますか」と聞くと答えてくれるでしょう。
ちなみに、1、2級建築施工管理技士が居れば間違いないです。
また、専門業者にお願いする場合は【樹脂接着剤注入施工技士】が在中している業者に依頼するようにしましょう。
※樹脂接着剤注入施工技士はエポキシ樹脂という特殊な接着剤を注入し、補修する工事の事で
構造的に支障があると判断された場合に行う工事です。
(ゆえに、それ以外のヘアークラック処理等は資格はいらないという事にもなります)
なんにせよ!ひび割れができたら早めの対処を
基礎部分にひび割れが起こる原因は、気温の変化や地震による振動など様々な要素があります。
年数がたつにつれてひび割れが起こりやすくなるのも事実で
定期的に基礎にひび割れがおきていないかをチェックすることが大切です。
ひび割れは放置しておくと水分がコンクリート内部に浸透して、建物全体の耐久性を下げてしまいます。
劣化が内部に進行していく前に、ひび割れの初期で補修をしておくことが大切です。
DIYでひび割れを補修することも可能ですが
しっかり補修できていないとより劣化を早めてしまう可能性もあります。
建物の耐久性を高く保ちたいなら、最初から信頼できる業者に依頼した方が確実です。
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まとめ
新築の家の基礎にひび割れが発生した場合は、ひび割れの種類を確認して適切な対処を行いましょう。
幅0.3mm未満、深さ4mm未満のひび割れ「ヘアークラック」の場合は、様子見でも問題はありません。
しかし、幅0.3mm以上、深さ4mm以上の大きな「構造クラック」が発生していた場合は早めの補修が必要です。
ひび割れの補修はご自分でもできますが、構造に関わる部分の補修はできないので
必ず専門業者に依頼してください。