『新築住宅を建てたい』と思って計画を進めていくと
『カッコよい家にしたい!』『シンプルで使いやすい家にしたい!』
などなど、いろいろな事を考え想像を膨らませていくことでしょう。
そうは言っても、出来るだけコストを抑えたい!!
大抵の人はそう考えるのではないでしょうか。
そう考えていると、選択肢として上がってくるのが
ハウスメーカーの住宅ではないでしょうか。
注文住宅の価格はハウスメーカーや工務店によってさまざまです。
もっと言えば、担当者によっても多少の値段が違う位です!
一般的な価格の注文住宅とローコストの注文住宅はいったい何が違うのか?
この記事では
坪単価は会社ごとに出し方はさまざま
坪単価でこのHM、工務店が安いと決めてはいけない
何故そうなのか?
坪単価、仕組みなどについてお話していきます。
注文住宅で坪単価を安く提示できる理由
HMで建てるために施主側でも実行できるポイント
HMで住宅を計画する上での注意点
ハウスメーカーや工務店の探し方
といった内容が解ってくると思います。
注文住宅を建てた後の後悔は、価格帯にかかわらず後になってこうすれば良かった!
など、いろいろと発生してくるものです。
決まった予算内で自分にとって理想の家づくりが実現するよう
ぜひ楽しみながら計画を進めていただきたいです。
ハウスメーカーの坪単価が安い理由? 【仕組みを暴露】
皆さんHM、工務店で家を建てようと思った時、最初に価格を比較するとしたら
坪単価で比較してしまう方もいるのではないでしょうか?
現在では材料等の高騰で住宅の価格も大幅に跳ね上がっています。
普通に使えるまで仕上げた住宅で坪60万をきる業者はいないと思います。
いたとしたら、坪単価の表示の仕方に理由があると思われます。
実際聞いた情報を例にします
- 外部からの給水管の工事が含まれていない
- 杭工事が含まれていない
- 照明器具が含まれていない
- 設計、申請などの費用が含まれていない
- 浄化槽は含まれていない
他にも細かい内容はありましたが省略します。
こういった費用が、本体工事に含まれていないのです。
これだけでも坪単価が数十万下がってくるでしょう!
極端な話・・・・
基礎と軸組みだけが本体価格で、後はオプションです!という話なら
自社は坪15万円です。
と言っても嘘にはならないという事です。
大事なことは
「これだけは覚えよう」
工事が完成した時点で、工事費用がいくらになったのか!
それを坪で割ったものが、正式な坪単価という事になるのです。
住宅の建費用(坪単価)のおよその値段
何処の会社で住宅を建てても坪単価に明確な定義があるわけではありませんが
今現在の現状として一般的には住宅の坪単価は60~90万円程度
もしくは工事費の総額が2,000万円までの
住宅(ローコスト)と呼ぶことが多いようでこういった価格帯の坪単価表示をしている会社が多いようです。
ただ、普通に建てて建物にかかった費用全て入った金額(照明器具、杭工事、申請、その他)で
坪単価が60万をきるというのはメーカーでも、工務店でも
はっきり言って無理だと自負しています。(建売、メーカー指定プランを一切変更しない、限定イベント)
そういった場合は一概でもありません。
断言出来ます!
坪40万~60万以内と言っている、メーカーでは上記( )内で言ったようなことが
坪単価に入っていないのです。
自分の会社では、全て入った値段で、現在価格で坪70~80万程度です。
外壁は16㎜、水回り、玄関ドアなどはワンランク上の仕様を標準としています。
簡単に言えば、中の上と言ったところでしょうか。
なので、普通に建てた家より坪単価が上がってくるのは当然です。
普通の仕様にすれば、普通の単価になりますし
普通より低い仕様にすると、ローコストとなるでしょう!
なので、工務店目線で、一般的な注文住宅の場合は
建築坪単価が75万円前後
工事費の総額が2,500万~3,000万円くらいになることが多いのではないでしょうか。
建て売りの分譲住宅でも建物価格は2,500万~3,500万円くらいするため
そう考えるとローコスト住宅は確かに手頃な価格に感じられることでしょう。
ローコスト住宅はなぜ安くなるのか?
それでは、なぜローコスト住宅は低価格で建てることができるのか。
その答えは、粗利です。
粗利とは、建物の総額から原価を差し引いた金額で
利益と経費をすべて合計したものを指します。
広告宣伝費や人件費、研究開発費など、経費の多いハウスメーカーほど
1棟あたりの粗利率は高くなります。
ローコスト住宅を建てるハウスメーカー、工務店では
集客方法を工夫して広告費をカットしたり、作業の合理化により
人件費を抑えたり、悪い言い方をすると下請けさんに
これしか予算がないのでこれでやってくれ!
など、安くできる要因をとことん追求するなどして
経費、その他の削減に取り組んでいます。
特に合理化によるコストカットは重要で
使用する建材や設備のグレードを統一することで
メーカーの強みである大量発注による仕入れコストのダウンが可能になってきます。
また、メーカーの基本プランを変更せずに家を建てた場合
工事の仕様が一定となり作業効率も上がるので
現場監督や職人が品質を損なうことなく
数棟の新築物件を掛け持ちすることも可能になります。
このように、現場の稼働率を高めることで利益を上げ
建築費のコストを下げているのです。
ローコストで住宅を建てるポイント
ローコストで注文住宅を建てるには、ハウスメーカーの
社内的な取り組み以外にも、プランニングをする上で施主側でも
工夫できるポイントがいくつかあります。
具体的な内容をあげますので、参考にしてください。
建築費を抑える工夫をする
やはり、新築を建てるとなると、いろいろな要望が出てくると思われます。
しかし、その要望を100%叶えようと思うと、ローコスト住宅の実現は絶対的に難しくなります。
しかし、プランの内容を見直してみたり、そもそも考え方を見直してみたり
そうんなふうに、考えながら計画していくと、それほど妥協をしなくても
建築コストは意外と抑えることが出来ます。
間取りや外観は「とにかくシンプル」に!
建築費の大部分を占めるのは、建物の構造に関わる部分です。
したがって、建物の形状をできるだけシンプルにすることで
建築コストは大幅にカットできることが少なくありません。
建物を四角い箱のような家にするとコストダウンできるということは
ご存じの方も多いかもしれません。
なぜ、四角い家だと建築コストが下がるかというと、一例ですが説明してみます。
四角い家と凹凸のある家を比較した場合は
同じ床面積でも凹凸のある家のほうが壁面の量が多くなります。
つまり、単純に使用材料の数量が増えるのです。
また、凹凸が多いほどコーナーの部材が増え、材料のロスも出やすくなり、細かい作業も多くなります。
そのため、材料費や手間代が余計にかかるのです。
同様に、同じような床面積でも2階建てに比べると
平屋は割高になると言われています。
2階建ての家に比べて、部屋数、大きさを確保するとした場合
平屋の家は基礎や屋根の面積が大きくなってしまうので
割高になる傾向があります、当然単価も高くなってしまいます。
平屋の場合は部屋に行くための廊下などが、余分に増えてくる事が原因です。
このようなスペースを極力減らし、家全体の面積を抑えることで金額を調整します。
四角い総二階の家が最もコストを抑えられるというのは
最初で述べたような理由によるものです。
「規格」「標準仕様」の範囲内で我慢する
ローコスト住宅は、グレードや仕様を統一することで
合理化を図っているとお伝えしました。
つまり、「規格」や「標準仕様」なしではローコスト住宅は成立しません。
同じ材料を大量発注することで安価に仕入れたりしているからです。
普段使わない材料を仕入れる場合は割高になってしまうということでもあります。
そのため、内外装材や設備を標準以外のものに変更すると
建築コストは一気に上がり、最終的にはローコストどころか
一般的な住宅よりも高い家になってしまうということが起こりうるのです。
例えば、大きな窓が欲しいと思っても、規格外のサイズでは
オーダーメイドになってしまいます。
網戸やカーテンも特注になり、その分コストが上がります。
建材はできるだけ規格内のもで選ぶようにした方が無難です。
また、ローコスト住宅の場合、性能面でも規格が設けられていることが多いです。
最近では高性能を売りにしたローコスト住宅も増えていますし
一般的な性能であっても法律で定められた範囲は当然クリアしています。
ローコストだからといって不安を感じる必要はないでしょう。
動線は「コンパクト」にまとめる
ローコスト、金額を下げる基本的な方法として
手っ取り早いのは面積を小さくすることです。
面積を小さくすることで、坪単価は上がりますが、建築全体の金額は下がります。
例えば、6畳間分を減らすのは難しいかもしれませんが
部屋ごとの面積を少しずつ小さくし、デッドスペースをなくすことで
狭さを感じさせることなく、コンパクトにまとめていくことは十分可能です。
また、間仕切り壁をできるだけ少なくしたシンプルな間取りにすることによって
構造や仕上げ、建具にかかるコストをカットできるだけでなく
使い勝手のよい動線を確保できるというメリットもあります。
人の動線だけでなく、配管の動線をコンパクトにまとめることも
コストダウンにつながります。
例えば、トイレや浴室、洗面、キッチンなどの水まわりは一カ所にまとめて
集約することで配管が短くなり、工事の手間も少なくなります。
同様に、水まわりを敷地内のできるだけ道路に近い位置に配置することで
屋外の給排水工事にかかる費用もカットできるでしょう。
設備関係についてはとにかく、工事する距離を短くする意識をすると
コストカットになってきます。
家に求めることの優先順位は明確に
注文住宅にはこだわりや理想を持っている方がほとんどだと思いますが
それらをすべて実現したいと思うのは決して悪いことではありません。
しかし、ローコストで高品質な注文住宅を建てるためには
何度もいいますが、100%の希望をかなえようとするのではなく
費用対効果を考えながら優先順位を決めてプランニング
していくことが重要になります。
「居間は12畳のところを10畳にして、居間にパソコンスペースをつくろう」
「キッチンはどうしてもグレードアップしたいから、ほかの設備は標準品でいい」
「来客は年に数回程度だし、客間はやめて畳コーナーにしておこう」
などなど、妥協するのではなく発想の転換をすることで
それほど我慢せずにコストダウンしていくことができます。
ローコスト住宅で後悔しないため注意すること
ローコストの注文住宅を建てる上で注意しなければならないのは
契約後の追加工事(照明器具、外構工事など)による予算オーバーです。
「費用を抑えるためにローコストメーカーを選んだのに
数十万円単位で追加が出てきて、気付いたら
一般的な住宅と同じような金額になっていた」
ローコスト住宅を建てた方の中には
こんな理由で後悔している方も少なくありません。
なぜこのようなことになってしまうのか、追加工事による予算オーバーを回避するにはどうすればよいのか、その具体策をお伝えします。
複数社の提案内容と金額を比較する
注文住宅の建築コストというのは一般の人には大変わかりづらく
出てきた金額が適正かどうかを判断するためには
数社の提案内容を比較検討する必要があります。
大切なのは、希望を伝えてその条件を満たすプランを提案してもらうのではなく
希望と予算を伝え、できるだけ希望をかなえた上で
予算内に収まるプランを提案してもらうことです。
同じ予算で面積が小さめのプランを提示してきたハウスメーカーは、
価格帯が比較的高めであることがわかります。
しかし、その分他社に比べて構造やデザイン
性能面などで優れている可能性もありますから
提案内容と金額をしっかり見比べて判断してください。
他社と比べて極端に金額の安いハウスメーカーは、避けたほうがよいでしょう。
安すぎるプランでは下請け会社を買いたたいている可能性がありますから
品質への悪影響も考えられます。
ローコスト住宅として平均的な価格帯のハウスメーカーを
選択することをおすすめします。
また、注文住宅は分譲住宅を購入する場合と違い
何度も打ち合わせを重ねることになります。
休日ごとの打ち合わせでご家族に負担がかからないよう
一度に提案を受けるのは3~4社程度にとどめておくとよいでしょう。
プランの内容はきちんとチェックする
プランの内訳をすべてチェックするのは難しいですが
建材や設備のグレードは、カタログまたはショールームで確認することができます。
ローコスト住宅の場合、グレードが低めに設定されていることが多いため
あとからグレードアップして追加費用が発生する場合が少なくありません。
グレードアップするとしても早い段階でわかっていれば
他の部分でコストダウンして調整するか、予算を見直すことも可能です。
次に、「プラン内容に含まれていない項目」を確認します。
例えば、図面に外構や家具が描かれていてもそれらはあくまでも
参考イメージで提案内容には含まれていない場合があります。
あとからオプションとして追加し、余計な費用が発生することのないよう
最低限「外構」「杭工事」「家具」「冷暖房空調設備」「照明器具」「カーテン」が
含まれているかどうか見ておきます。
また、これら以外にも実際に住むとなった時にほかに必要な工事がないかどうか
担当者に確認してください。
※最初から、担当者に「この金額は、何処まで入っている金額ですか」
「別途工事として後から追加されるものがありますか」
「オプション項目としてどんなものがありますか」など確かめておくと良いです。
また、プランの書類の表記に関して「一式見積もり」は一般的に
信頼性が低いと言われていますが、ローコスト注文住宅の場合
必ずしもそうとは言い切れません。
費用を細かく積み上げていくと、工事費の総額は大きくなります。
そのため、ローコストメーカーは「この金額でお願いします」と
毎回一定の金額で下請け会社に発注します。
合理化された仕組みの上で継続発注が可能になり、ある程度の金額の上限は気にせず
お客様に対し「一式見積もり」というシステムが成り立ってくるわけです。
なので、そこはきちんと見積もりをして、まとめてたものを「一式」にしているのと
少し訳が違うということも頭に入れていてください。
簡単に言うと
根拠のある「一式工事」
根拠があるけど、その金額を下回らなければならないことから
根拠が無くなった「一式工事」
といったところでしょうか?
根拠が無くなった「一式工事」の場合は、根拠がなので
問屋さん、下請けに対してしわ寄せが来ます!
仕事を貰ってるいじょう、断るわけにはいかない状況で現場に来ている。
それを考えると、施主側も現場に出向き、適正に現場を進めてくれているか
チェックをしないと不安な部分もあるような気がします。
予算には余力を残しておく
提案内容と金額を比較し、ようやく1社に絞って契約を結んだとしても
絶対に予算オーバーしないとは限りません。
契約して着工し、工事が進んでいくのを見ているうちにどうしても
「ここをもっとこうしたい」という希望が出てくるかもしれないからです。
むしろ、まったく追加費用が発生しないまま竣工することのほうが珍しい
と思っておきましょう。
解決策としては、予算を決める際に少し余力を残しておくことです。
総工費の1割程度を予算取りしておくと、万が一の追加費用にも対処できるでしょう。
そして、現時点でどれだけ追加費用が発生しているか一目でわかるような
増減リストをハウスメーカーの担当者に作ってもらい
追加工事が増えすぎないよう歯止めをかけておくことをおすすめします。
ローコストの注文住宅はどこへ頼めばいい?
それでは、ローコストの注文住宅はどこに依頼すれば建てられるのでしょうか。
できるだけコンパクトかつシンプルにまとめることで、どこのハウスメーカーでもある程度のコストダウンはできるでしょう。しかし、それだけでは限度があります。
できるだけ品質のよいローコスト住宅を建てるには、経験により蓄積されたノウハウと、下請け会社や職人との協力関係が必要不可欠だからです。
いきなり住宅展示場へ行って、実績のないハウスメーカーにローコスト住宅の相談をすることはできません。まずはしっかりとリサーチしてから依頼先を決定します。
大手ハウスメーカーは総じて価格帯が高めなので、いわゆるローコストメーカーやローコスト住宅を売りにしている地域の工務店を探してみてください。
最近では、ローコストでも高耐震や高気密・高断熱のもの、長期優良住宅対応のもの、デザイン性に優れたものなど、いろいろな選択肢があるはずです。
どうしても、自分で探せない場合は以下のサイトを参考にしてみて下さい。
新築住宅の相談は信用があり、対応力のある無料相談サイトを利用するべき!ま~!ごもっともな話です。そもそもこういったサイトを利用しなくても、周囲の人が相談にのってくれたり住宅に詳しい人が相談にのってくれる人が居れば「あ[…]
まとめ
「安かろう悪かろう」というのは昔の話で、今や「ローコスト住宅」は注文住宅の1つのジャンルとして確立されています。
とにかく安くマイホームを手に入れたいというのであれば、建て売りの分譲住宅や中古住宅を購入するという選択肢もあるでしょう。
しかし、ローコストであるか否かに関係なく、注文住宅を建てたいと希望されている方は多いのではないでしょうか。
注文住宅であれば、建築中の現場を確認できるという安心感もあります。
どうすればコストダウンできるのか、ムダな費用をかけずに済むのかしっかりと頭に入れた上で
ぜひ信頼できるハウスメーカーを選び、理想のローコスト住宅建築を実現してください。