外壁・屋根工事で必要となる足場の費用は意外と高い

 

外壁や屋根を直そうとしたときには、必ず仮設足場を組み立てなければなりません。
最終的になくなってしまう建造物で、なんか損した気分になるかも知れませんが

作業員が安全に作業するためには必要な工事となります。
外壁・屋根を工事する場合は、その工事費の役2割程度は仮設足場を組むための

費用になってしまいます。
この費用は、現場の作業員の命に係わってくる問題なので

ここで費用を削ったりすると、ケガ人、もっと言えば死亡事故にも
つながってで絶対的に手を抜くわけにはいかないのが仮設足場というものです。

 

外壁作業での仮設足場の必要性

  1. 現場作業員が安全かつ作業効率を上げるため
  2. 作業員の安全確保のため
  3. 周辺の住民に対して配慮するため

以上のようなことが言えます。

 

➀ 現場作業員が安全かつ作業効率を上げるため

仮設足場は現場で作業する人にとっては、作業性を向上させることと
なにより、安全に高所での作業をするために設置されます。

最終的には解体してしまうので、本当にひつようだったのか?
なんて思われる方も居るかもしれませんんが

そこはご理解いただきたい。
万が一、現場で事故を起こしてしまうと、事故を起こした業者はもちろん

元請け・施主(お客様)皆さんに迷惑をかけることになります。
お客様には関係ないと思われがちですが、実は間接的には被害を被ります。

現場の状況にもよりますが、安全性や作業計画が全く書類に残っていなかったり
現場での安全性が全くなっていなかったり、誰が見ても危険な個所が多数あった場合
労働基準監督署から是正があり、是正事項を直して、監督署が確認するまで
現場んぼ作業停止処分を受けることとなります。
そうなれば、工期に直接影響が出てくるので、指定の日程まで間に合わなくなったりします。
引越しや、アパートの退去届が決まっている場合はそういったことにも
被害が被ったりするので施主にとっても無関係ではないのです。

 

作業員の安全確保のため

比較的高さが低い場所であっても手が届かないところで作業する場合
脚立足場と固定された本設足場とでは、やはり作業の品質にも少なからず影響が出てきます。

皆さんも経験あるかと思いますが、脚立作業となる場合
倒れる心配足を踏み外したら捕まるところがない

もう少し手を伸ばし作業を終わらせると脚立を移動させなくて済むなど・・・
作業をしながら、そのような心配をしながら作業したことありませんか?

例えば

塗装作業で脚立を移動させたくないがために、無理な体制で作業をしてしまうと
当然、雑な作業となり仕上がりにムラが出来たりしてしまいます。

塗装の場合は仕上がりが雑になると、塗装本来の性能を発揮できなくなります。
どんな事でもそうですが、基礎、足元がガッチリしていなければ

物ごとは上手くいかない場合が多いです。

 

周辺の住民に対して配慮するため

足場を組む目的は手の届かない場所の作業をする以外にも
足場上で作業をしているときに、足場上から資材やゴミなどを

隣の敷地に落下するのを防止することでも使われたりします。
足場の外側に良くネットを張っている現場を見たことがあると思いますが

そのネットがその役割を果たしています。
また、塗装工事などでは、塗料の飛散防止などにも有効なので

塗装工事をする場合はほとんどがネットを張って作業をしています。
その他、目隠しの意味でも使われたりしています。

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外壁塗装にかかる足場のおよその価格

足場の単価は基本的には【1㎡-〇〇円】となります。

通常およそのヘイベイ単価は700~1100円程度です。
※枠組み足場は単価が上がります。

 

足場の価格の出し方

 

足場費用の計算方法イメージ図

住宅のおよその高さ
1階 3.5m程度
2階 6m程度

とおよそですが決まっています。

足場架面積 = (建物の外周(m) + 4m) × 家の高さ(m)

例えば

5.46m×7.28mの2階建ての建物の場合

5.46+5.46+7.28+7.28+4m29.48mとなります。

建物外周長さ 29.48m

29.48×6m=176.88㎡

この数字にヘイベイ単価を掛けてやれば足場の価格が出てきます。

177㎡×単価900円=159300円程度となります。
※地域、業者によって価格は変わってきます。

つまり24坪程度の極小住宅だとしても16万ていどの費用は掛かってくると思います。

地面にある程度の傾斜がついている場合
車両が入れなくある程度の距離を手運びしなければならない
トラックの駐車スペースがなく道路にはみ出す場合(ガードマンが必要)
こういった場合は別途費用が加算されることと思います。

 

足場の種類について

仮設足場の種類にはいくつかありますが、現在主流となる足場は2つです。
クサビ型足場枠組み足場の2つに分けられるでしょう。

 

クサビ型足場

外壁・屋根の工事で必要な「足場」の単価・費用はどれくらい?設置/組み立て時にかかる相場は?

クサビ型足場は、支柱となる材料に一定間隔で緊結する穴を備えており
手すりや筋交い、ブラケットについたクサビを部分を、ハンマーでたたいて差し込んで

足場を形成していくタイプの足場です。
よって鉄をハンマーでたたく音がうるさく感じてしまいます。

 

枠組み足場

枠組み足場は交換を門型に作られた鳥居枠という部材や布板、ジャッキベースなど
各単体の部材を組み上げていく方法の足場となります。
主に住宅以外の建築物に使われることが多く、公共工事などでもこの足場が多く使われています。
単体の部材で組み立てするので、クサビ足場よりも組み立て作業に時間がかかります。
ただ、強度、安全性で言うと枠組みのほうが細部にわたり細工が出来るため良いでしょう。

足場組立費用が高くなる要因

建物が形ちに凹凸がある場合

建物の垂直方向、水平方向に凹凸がある場合は、その分足場の数量が増えるのと
手間がかかる分だけ高くなってきます。
又、足場をかける場所の地盤に落差のある法面(傾斜)があったりする場合も同様です。

トラックから足場をかける建物まで距離、又は障害がある場合

場所によっては、建物近くまでトラックが入る事が出来ないことがあります。
その場合、全て手運びとなるためその分多少高くなります。
しかし、距離にもよりますが、10m程度であれば
そのままの金額で処理してくれると思われます。
心配であれば、「距離がある分、施工費は高くなったりしますか」
と聞いてみると良いでしょう。

足場設置する時の基準(一部抜粋)

枠組み足場、クサビ足場については定める規定が多々あります。
最低限の基準を(小規模木造住宅向けに抜粋しています)記入していきたいと思います。

足場の足部分について

  1. ねじ管式ジャッキ型ベース金具の下には、地盤の状況に応じて敷板(しきいた)又は敷盤(しきばん)を
    使用する
  2. 敷板を使用する場合は、ねじ管式ジャッキ型ベース金具を 2 本以上の釘等により敷板に固定し、敷
    盤を使用する場合は、ねじ管式ジャッキ型ベース金具を敷盤の使用方法に従い固定する。

作業床について

  1. 作業床の幅は40㎝以上とする
  2. 作業床間の隙間は 3 ㎝以下とする。

墜落防護工

  1. 手すり等(作業床からの高さが概ね 90cm 以上)及び中桟等(作業床からの高さ 35 ㎝以上 50 ㎝以下)の設置。
  2. 手すり据置き方式のくさび緊結式足場用先行手すり。

落下防止基準

  1. 足場から物が落下する恐れがある場合は、高さ10㎝以上の巾木を設ける
  2. メッシュシートを張る
  3. 上端の桟の位置は軒先から概ね 90 ㎝以上とする。
  4. 軒先から上方に突き出した緊結部付支柱にはメッシュシート等を設置する。

昇降階段

  1. 2層以下毎に踊り場を儲ける
  2. 昇降階段及びその開口部には手すり及び中桟を設ける。

表示

  1. 足場に最大積載荷重を表示する
1 スパン(全層合計)1 構面当り
200 ㎏400 ㎏

 安全

  1. 作業のためやむを得ず一部の部材を一時的に取外すときは、取外した状態における足場の強度が著
    しく低下しないことを事前に確認するとともに、当該作業が終了した後は、直ちに原状に復旧すること。
  2. 足場の組立て及び解体時において、最上段に設置された先行手すりは、荷取り作業等においても取外さない。
  3. 足場上では必ず安全帯を装着し、それを使用(安全帯フックを掛け作業)すること。

足場を組み立てする前にお客様が確認すること

ここでは、すこし足場を組む際に起こりうるトラブルなどについてお話したいと思います。

足場の種類と名称について

外壁の側にある車や物品は移動しておく

外壁側に車やある程度の量の部材や物品などを置いている場合は移動しましょう。
車はそのまま外壁側に駐車していると、車が邪魔になり足場を組むことが出来ません。

また、足場を組み立てるスペースがあるから大丈夫と思っても
足場材を手運びしているときに、ぶつけてしまうという危険があります。

プロとは言え人間です、考え事をしていたり、早く足場を組まなければならないと
焦っていたりするものです。

汚れたり、傷をつけられと困るようなものは、是非とも移動して下さい。
面倒がっているとトラブルの原因となります。

 

庭の植え替えが必要か確認する

車と同様ですが、建物外周付近に植物がある場合も
足場の組み立て作業に支障が出ないか確認が必要です。

プランターや鉢などたやすく移動できるものであれば良いですが
木や花壇など場所によっては足場の下になったりする場合があります。

その時は、植え替えが必要になってきますので、足場を組む前に業者と打合せをして
邪魔になるのか、そのままでもなんとか組むことが出来るのか?

などを相談したうえで、工事にとりかかってもらうようにしましょう。

 

隣の敷地を利用せざる負えない時がある

足場のトラブルで多いのが、現場で出たゴミが飛散してきたというのもありますが
足場を組むことによって、敷地内に足場が入っている!

足場(ネット)のせいで日が入らなくなった!
そんなクレームが入ってきたりします。

一番問題なのが、自分の敷地内だけではどしても足場を組むことが出来ない場合です。
そうなった場合は隣の敷地にはみ出した形で足場を組むことになります。

なので、工事前には必ずご挨拶をして、協力してもらいましょう。
隣の敷地に入る!入らない!に係わらず、何かしらの迷惑をかけることがおおいので

工事前に挨拶をしておくことをお勧めします。

挨拶が不安な場合
業者担当者の都合にもよりますが、お願いすると挨拶を一緒にしてくれます。
工事の日程、詳細を説明して納得してもらうことを考えたら
業者と一緒に挨拶をすることで、相手側の印象もだいぶ良くなるのではないでしょうか。
多少、時間をかけても周辺住民に迷惑をかけずその場に合った施工方法で
リフォームをいこなう業者。
そして現場で働く安全性にも力をいれた、経験豊富で信頼出来る業者に
任せることが大切です。
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まとめ

足場は作業性、安全性を確保するために設置されるものです。
当然、作業が終ったら撤去しなければならない仮設物ではあるものの、無くなるものだからと言って

ここで予算を削ったり、手を抜くと重大事故につながり
業者はもちろん、施主様にも迷惑をかけることになります。

また、同じ足場を組むにしても場所や条件(車が入れないなど)で
足場の組み立て価格が変わってきます。

足場を組み立てる前には、建物周辺を片付けて、組み立て作業に差支えがありそうなことは
全て片付けましょう。

足場組立、解体作業時は運搬するトラックが自宅のそばに止めっぱなしになるので
そのことも十分頭に入れて、スペースをつくる計画をしてあげると

業者もスムーズに作業することが出来き、結果価格が安くなることにつながってきます。

工事現場でのリアルなつぶやき
>・・・建物を長持ちさせるために・・・

・・・建物を長持ちさせるために・・・

建物は月日の経過とともに、日々劣化していくものです、建物の状況を確認し、気になる点や破損個所があった場合、被害を広げない(修繕費用を抑える)ためにも早めに対処が必要とされます。

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