プロの技術者が選ぶラジカル塗料の特徴・費用について

ラジカル塗料は、正式にはラジカル制御型塗料と言います。
そもそもラジカルは塗料に含まれる《酸化チタン》が太陽の紫外線に当たることで発生します。

そのラジカルを制御するために開発されたのがラジカル塗料ということです。
ラジカル塗料は酸化チタンをより高耐久にすることで紫外線を届かないようにして

ラジカルの発生を抑えています。
又、光安定剤によって、発生したラジカルをキャッチし無害化します。

そういった特性があるため、最近では注目をあつめ
シリコン塗料と並ぶほど人気がありおススメする業者が増えてきています。

そもそもラジカルとは?

「ラジカル」とは、外壁・屋根塗装の塗料に含まれている顔料に
酸素・水・紫外線などが触れることによって発生する劣化因子のこと。

つまり、ラジカルは外壁や屋根の塗膜が退化してしまう原因の一つで
塗装された外壁の劣化でありがちな「チョーキング」という現象を発生させます。

このラジカルの発生を制御する塗料のことを、ラジカル塗料と呼んでいます。

ラジカル塗料の耐用年数

ラジカル塗料の耐用年数は、メーカー発表によると外壁で8〜16年、屋根で7〜9年です。
ただし、外壁塗料の耐用年数は実際の年数を超えた実績はな

メーカーの試験による数値となっているため、立地、気候などで年数は変わってきます。

 

ラジカル塗料のメリット

チョーキングが起こりにくい

外壁に触れると、手にチョークの粉のようなものが付着する
「チョーキング(白亜化)」は、外壁の塗膜劣化現象の一つです。

経年劣化によって、塗装に含まれる白色顔料(酸化チタン)が
外壁の表面に粉状に浮き出てくるのがチョーキング現象というものです。

このため、白や淡色で塗装された外装では、白色顔料の劣化が進み
チョーキング現象が発生しやすい傾向があります。

チョーキング現象が起きてしまった外壁は、塗り替えを行わなくてはいけません。
「ラジカル塗料」は、このようなチョーキング現象の発生を抑えるために

開発されているため、耐久力が高いのです。

防汚性、防カビ性に優れている

バイオ技術によって、藻やカビが付きにくいのも、ラジカル塗料の特性。
日当たりがよくない北側の壁にも最適です。
また親水性にも優れているため、雨水による汚染を防ぐ力もあります。

塗装時の光沢が持続

汚れに強く、変色がしにくいため、塗装したときの光沢の持ちが良いのもラジカル塗料の魅力です。
なお塗料は最初に、「ツヤ有り」か「ツヤ消し」、いずれかのタイプで製造されますが

ツヤ有り塗料の場合は、光沢を加減して塗装することができます。
(最初からツヤ消しタイプとして開発された塗料には、光沢を追加することはできません。)

ただしツヤ有りの商品の光沢を抑える際には、本来は入れなくても良い添加剤(ツヤ消し材)を混ぜるため
塗料の耐久性がやや落ちてしまう傾向があります。

より汚れにくく長持ちする外壁にしたい場合には
ツヤ有り塗料の光沢をなるべく落とさず、施工してもらうことをおすすめします。

さまざまな下地と相性が良い

下地を選ばないため、ほとんどの住宅の外壁に使えるのもラジカル塗料の美点。
サイディングや、モルタル・コンクリート、木部やアルミなど

さまざまな素材に対して塗布できます。
色々な建築物(素材)に対応できるのもメリットの一つです。

 

ラジカル塗料のデメリット

濃い色にできない場合がある

ラジカル塗料の主成分である「高耐候酸化チタン」は、白色顔料です。
そのため製品によっては、黒などの濃い色を選べない場合があります。

ただし、白色顔料をほとんど含まない濃色の塗料であれば、そもそもチョーキング現象は発生しにくいため
重厚感のあるカラーの外壁にしたい方は、ラジカル塗料にこだわらなくても良いでしょう。

最新塗料であるため、耐用年数の実績がわからない

ラジカル塗料は、耐久年数が最長15年前後と言われていますが
発売されてからまだ6年近くしか経っていません。

現時点では、ラジカル塗料の精度を証明することは難しいのも現状です。

ラジカル塗料の費用の相場

ラジカル塗料でリフォームする場合、1㎡あたりの価格は2,200~4,300円程度で
例えば30坪の戸建て住宅の外壁を塗装した場合、立地、建物形状にもよりますが
一般的には70~80万円前後かかってくると思われます。

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