水性塗料と油性塗料は何が違う?塗料の特徴を解説!

水性塗料と油性塗料!何が違う?メリットとデメリット

少し前までは、塗料の性能(耐久性)に「油性塗料」「水性塗料」とでは
大きな差があったのですが、最近は「水性塗料」でも油性塗料に

引けを取らないほど性能の差がなくなってきています。
とは言っても水性塗料と聞けば、性質上雨に濡れると「流れ出してしまうのでは?」

そんな気もするのも確かでしょう。
ここでは、水性塗料に関しての疑問や、油性塗料との違い

そして、信頼できる業者選びについて少しお話ししたいと思います。

 

水性塗料とは?油性塗料との違いと価格

外部に使うものでも、内部に使うものでも塗料は基本的に「水性」と「油性」の2種類となります。
この、水性と油性とではどのような違いがあるのか簡単に説明したいと思います。

塗料の原料には「顔料」「合成樹脂」「添加剤」といった個体が使われます。
しかし、このままでは外壁や屋根に塗ることはできないため

液体である「希釈剤」で溶かし、塗りやすい状態まで薄めて調整する必要があります。
希釈剤で薄めた塗料を塗って乾燥させ、蒸発させることにより、顔料で着色し

さらに合成樹脂の力で壁などを保護する効果を発揮できます。

そしてこの希釈剤には、水性塗料の場合は「水」が、油性塗料の場合は「シンナーなどの有機溶剤」が用いられます。
つまり水性と油性の一番の違いは、希釈剤に水かシンナーのどちらが使われているかで決まってきます。

水性塗料と油性塗料はどちらがおすすめ?価格の差、メリット・デメリットは?
自分が現場を管理し始めたときはまだ水性塗料は品質的にまだ不十分で
油性塗料の耐久性のほうが圧倒的に高く、その分価格が高額であることも両者の大きな違いの一つでした。

ところが、ここ最近では、外装用の水性塗料の開発が進み、高耐久の商品が増えてきています。
そのため現在の水性塗料のグレードは、油性塗料と比べてほぼ遜色なく、価格でもほとんど差はありません。

以下では、水性塗料と油性塗料の具体的なメリット・デメリットについてお話します。

水性塗料の特徴

水性塗料のメリット

前記でも言ったように、水性塗料は希釈剤に水を使用しているため
シンナーのように強い臭いがしないのが一番の魅力です。

又、シックハウス症候群や大気汚染の一因とされる「VOC(揮発性有機化合物)」の
排出が少ないことから、環境に優しい塗料としても高く評価されています。

油性塗料のようにシンナーを含んでいないということは
引火する危険性が低く、管理場所や施工場所などでの火事の心配が少ないということもあったり

現場での狭い部屋での塗装中に作業員が具合を悪くしたなどの
健康上の心配もなくなります。

そのような理由から、施工業者にとっても扱いやすいという大きなメリットがあるわけです。
また塗料の材料的なことで言うと、水性塗料であっても「1液タイプ」と「2液タイプ」とありますが

一般的に「2液型」の塗料は、希釈量などが決まっていたりするので
知識と技術が必要とされるため業者以外の方には難しいかも知れません。

一方、「1液型」は施工の簡易性のために開発された塗料であるため
DIYでも気軽に使えるといった利点があります。

水性塗料のデメリット

水性塗料は油性と違い塗料に含まれる水分は、一定の温度に達しないと
なかなか乾燥しないことがあるため、気温が低い時期は工期が長くなってしまう可能性があります。

なるべく暖かく晴れている日が多い時期を選んで塗装を行う事が求められます。
また水性塗料は、窯業系サイディングやモルタルなどの素材にはよく馴染みますが

アルミやステンレスといった金属部分には密着しにくい性質があるため
屋根の下塗りや、雨樋・破風板・軒天井などの塗装には向かないケースがあります。

ただしこのような場合には、下地をサンドペーパーで磨く、油性塗料で下塗りをする
といった方法で対処できることもあるので、まずは知識や経験のある業者に相談してみましょう。

注意

水性塗料は、冬季(積雪地域)では気温によって、塗装(水分)が凍結をおこし
塗れない事があるので注意が必要です。
また、塗れたとしても乾燥するまでに5度以下になった場合も凍結をして
塗装がボロボロ剥がれてきたりするので温度管理にはかなり気を使って作業しなければなりません。

水性塗料は、雨に濡れても溶けないのか

水性と聞くと水に溶けてしまいそうなイメージがありますが
しっかり乾燥して水分が蒸発・塗膜が硬化すれば、雨などで濡れても流れ落ちる心配はありません。

ただし、乾燥が完了するまでは水に弱いという難点があるため、天気の良い日を選んで施工する必要があります。
この点も、業者の管理の仕方や技術が大きく影響すると言えます。

なお最近では、多少濡れても問題のない塗料の開発もされつつあり
特に関西ペイント社が販売している『アレスダイナミックフィラー』は

自分は使ったことはないのですが雨の中でも施工できるという世界初の水性塗料があるらしいです。

油性塗料の特徴

油性塗料のメリット

油性塗料はシンナーなどの有機溶剤を使用するため、耐久性の高い塗膜を作る事が出来ます。
水性塗料の品質が向上するまでは、外壁や屋根の塗装に油性塗料を利用するのが一般的であったことから
安定した耐久力があると言えるでしょう。
化学反応を起こすこともまれにありますが、環境に左右されにくく乾燥が早いことや密着性が高いため素材を選ばずに塗装できることも大きな魅力の一つです。金属などへの塗装が可能であったり、下地塗りをしないで済むこともあったりと
水性塗料で対応できない箇所の塗装に使用することが出来るのも強みです。

油性塗料のデメリット

油性塗料のデメリットと言えば、これ以外ないとは思うのですが
やはり有機溶剤として使用されるシンナーの臭いでしょう。

溶剤は、健康や環境に被害を及ぼす「VOC(揮発性有機化合物)」を排出するため
施工する際は現場内の作業員はもちろん、関係者にも配慮が必要となってきます。

狭い部屋や密閉空間での作業では、健康を害する恐れが考えられます。
油性塗料を使用する者は十分な知識も必要となってきます。

施工する際は近隣への配慮も必要とします。
また、シンナーは引火性が高いという性質上、材料管理にも十分な配慮が必要になってきます。

※保管場所・近くでの火気使用制限・管理責任者の選出など

そのため、業者が管理を徹底しないと火事になったり、健康上の災害などに発展したりするので注意が必要です。

なお、最近では弱いシンナーでも溶かせる「弱溶剤」と呼ばれるタイプの塗料も開発されています。
従来の溶剤塗料よりも臭い・刺激が少なく、人体や環境への影響が少ないため水性塗料を適用できない箇所のリフォームでも推奨されつつあります。

塗料の耐久性・価格は「合成樹脂の種類」によって変わってくる

先述した通り、塗料は主に「顔料・合成樹脂・添加剤」で構成されており
この内の主成分である「合成樹脂」が、耐久性を持たせる役割を担っています。

合成樹脂は主に4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順に耐久性や価格が高くなってきます。
塗料の耐久力を比較する際には、水性か油性かということよりも、合成樹脂の種類を参考に選ぶと良いでしょう。

「1液型」か「2液型」かでも耐久力に差がある

また、塗料にはそのまま使用する「1液型」と、使用時に硬化剤を混ぜる「2液型」とがあります。
2液型のほうが、手間がかかり対応できる業者が限定される一方で、密着力が非常に高く

耐久性も良いという特徴があります。
ただし2液型が多いのは「油性塗料」です。

2液型の「水性塗料」を検討したい場合には
商品の選択肢が限られてしまうことも念頭に置いておきましょう。

「水性と油性どちらが良いか」は、塗装業者とも相談を

水性塗料にも油性塗料にも、上記で説明した通りそれぞれメリットとデメリットがあります。
臭いが気にならず、環境に配慮した製品を採用したいのであれば、水性塗料

もしくは弱溶剤タイプの油性塗料がおすすめですが
どのような塗料が適しているかは塗装する箇所によって異なってきます。

それについては業者によって、推薦するメーカー、塗料の種類もさまざまです。
予算や今後のメンテナンスなどについても含め

まずは塗装経験が豊富なリフォーム業者に相談して、じっくり塗料を選んでみましょう。
できれば複数の業者に見積もりを依頼してプラン内容を確認し

相性が良さそうなスタッフがいる会社や
この先塗り直しが必要になった際にも任せられそうな業者に、工事を依頼すると確実です。

 

【まとめ】

水性塗料と油性塗料の違いや価格差は?
水性と油性の一番の違いは「希釈剤」に水かシンナーのどちらが使われているか、という点にあります。
最近は、外装用の水性塗料の開発が進んでおり、水性塗料のグレード・価格は
油性塗料と比べてほぼ差がないといってもいいでしょう。
水性塗料と油性塗料の、それぞれのメリット・デメリットは?
「水性塗料」のメリットは、シンナーのように強い臭いがないことなどです。
一方、金属部分には密着しにくい性質があるなどのデメリットがあります。
「油性塗料」のメリットは、耐久性の高い塗膜を作る力があることです。
ただしデメリットとして、シンナーの臭いや引火性が懸念されるといったデメリットがあります。
外装のリフォームの際、水性塗料か油性塗料か迷う場合は、どうすべき?
塗装業者と相談しながら決めることをおすすめします。
施工箇所や、各塗料のメリット・デメリットも考慮して「外壁は水性塗料、雨樋と軒天井には油性塗料」
といった塗り分け方をしてみるのも良いでしょう。
関連記事

自宅を所有していればメンテナンスをしなければならない時が必ずきます。そういった時に、ハウスメーカーや工務店又は塗装屋さんに直接お願いする。通常はそういった考えをしますが・・・少し知識があって、「やる気まんまん」な方に[…]

工事現場でのリアルなつぶやき
>・・・建物を長持ちさせるために・・・

・・・建物を長持ちさせるために・・・

建物は月日の経過とともに、日々劣化していくものです、建物の状況を確認し、気になる点や破損個所があった場合、被害を広げない(修繕費用を抑える)ためにも早めに対処が必要とされます。

CTR IMG