屋根の形状9パターンの特徴と屋根の形状を変更できる?

屋根の形状9パターンの特徴

それぞれの屋根のパターンとメリット、デメリットを
それぞれ、説明していきたいと思います。

屋根形状一覧

切妻屋根トラブルがあまりない
メンテナンスが容易である
片流れ屋根トラブルが少なく、施工も簡単
デザイン性が高い
寄棟屋根耐久性があり、風に強い
雨漏りのリスクが多少ある
方形屋根台風や風に強い構造
ソーラーパネル設置には不向き
入母屋屋根屋根裏の断熱性や通気性が高い
屋根の形が少し複雑なので工事が高額
はかま屋根室内空間の自由度が高い
棟の形が少し複雑で雨漏りが発生しやすい
差し掛け屋根強風や突風に強い
施工費が安い
越屋根風通しが良い
トラブルが起きた場合原因究明に時間と費用がかかる
陸屋根ベランダのように屋根を人が歩ける
積雪地域では落雪対策を行う悲痛用はあまりない

 

切妻屋根の特徴

切妻屋根は、昔から使われているもっとも我々に親しみのある屋根です。
屋根の最頂部の棟から左右に地面に向かって勾配がついてる

への字型の屋根で基本的な屋根の形と言えるでしょう。

切妻屋根のメリット

シンプルな形なので、工事が比較的簡単で防水処理の欠陥が少なく
トラブルが発生しにくいという長所があり、メンテナンスも比較的簡単です。

新築時にもメンテナンスリフォームの際にも
工事費を抑えたい方におすすめです。

切妻屋根のデメリット

妻側’(屋根の水が落ちてこない面)の壁には日光や雨の水が面積が多くなる分
直接、日光や雨水が直接当たってしまいます。

そのため妻側の外壁は劣化しやすく、定期的に塗装や外壁の状況などを
チェックしメンテナンスを行わなければならないこともあります。

また、ソーラーパネルを設置する時は、屋根の面の方位を確認し
設置しないと発電効率が著しく低下することも考えらます。

片流れ屋根の特徴

片流れ屋根は、切妻屋根を半分に切ったような形の屋根です。
シンプルな屋根形状のため、勾配を急にするとデザイン的にも良くなります。

片流れ屋根のメリット

形状がものすごくシンプルなのが特徴で、施工的にも他の屋根に比べ
手間をあまりかけずに施工することが出来ます。

前記でも少し、触れましたがデザイン性も高く
屋根裏の空間を確保しやすいのも特長です。

切妻とは違い、ソーラーパネルを設置する場合は
屋根面が南向きになるよう設計すれば、太陽光パネルを設置しやすくなります。

(※逆に屋根面を北向きにしてしまうと、太陽光パネルの設置はできません。)

片流れ屋根のデメリット

片流れ屋根では、一面に雨が集中してしまいます。
大雨の際には、たった一つしかない雨樋から雨水が溢れてしまう

トラブルが発生しやすくなるので、気をつけなくてはいけません。
また、屋根がかかっていない側の壁は、風雨が直接当たり劣化しやすいため

外壁からの雨漏りが発生していないか点検するようにしましょう。

寄棟屋根の特徴

寄棟屋根も、最近の屋根の中で非常に多いタイプです。
特に平屋にとても使われる形の屋根です。

勾配のある4つの屋根面で構成されています。

寄棟屋根のメリット

最上部に、地上に対して水平になる「大棟」という部分があります。
大棟に対し、傾斜がある棟のことを「隅棟(すみむね)」などと呼んだりします。

屋根面を4方向から寄せて支え合っているため
一番耐風性があると言われており、実際、台風や嵐に強いです。

日本の気候に合った屋根と呼べるでしょう。

寄棟屋根のデメリット

寄棟屋根は、屋根の上に降った水が4つの方向に流れます。
この際、大棟と降り棟の取り合い部分(Y字型の合わせになる「かき合い」

という部分)で、雨漏りが発生することがあります。
本来、施工やメンテナンスがしっかりしていれば安全ではありますが

切妻屋根と比べると雨漏りのリスクが高いので、念のため注意が必要です。

方形屋根の特徴

方形屋根は一つの接点から4方向へ棟が同じ角度で傾斜している
ピラミッド形の屋根となります。

寄棟屋根の「大棟」部分がないタイプです。

方形屋根のメリット

寄棟屋根と同じく、4方向から屋根を支えているので比較的に頑丈な構造で
台風などには強い構造です。

方形屋根のデメリット

方形屋根の下になる部屋は、正方形に近い設計にしなくてはなりません。
また全ての屋根面が三角形であるため、ソーラーパネルの設置には不向きです。

入母屋屋根の特徴

入母屋屋根は、寄棟屋根と切妻屋根を組み合わせたような形の屋根で
古い建物などで良く見られる屋根です。

上部の切妻部分と下部の寄棟部分が、一続きになっています。

入母屋屋根のメリット

樋から雨水が溢れてしまうトラブルが発生しにくいです。
また、屋根裏の断熱性や通気性が高くなります。

日本の伝統的なスタイルなので、和風の住宅に最適なデザインです。

入母屋屋根のデメリット

接合部分が多く屋根の形が複雑になるので、工事が高額になります。
また防水上の欠陥が発生しやすくなるため、定期的なチェックが必要です。

はかま腰屋根の特徴

切妻屋根の妻側に、屋根上部から少しだけ寄棟屋根のような屋根面を設けた
屋根のことを「はかま腰(はかまごし)屋根」と言います。

はかま腰屋根のメリット

道路斜線や日影規制など法的な制約により使われる事が多く
この形状を取り入れることで、室内空間の自由度が高まります。

はかま腰屋根のデメリット

切妻屋根などと比較すると、棟の形が少し複雑であるため
雨漏りが発生しやすいです。

差し掛け屋根の特徴

差し掛け屋根は、切妻屋根の上部をずらしたようなデザインです。

差し掛け屋根のメリット

強風や突風に強いというメリットがあります。
壁部分をつくることができるため、屋根の間に採光窓を設けることが可能です。

また、太陽光パネルを設置するのに適した角度を確保しやすいです。
施工費が安く、屋根裏の断熱性や通気性も保てます。

差し掛け屋根・招き屋根のデメリット

屋根と外壁との雨仕舞いをしっかり施工しなければ
雨漏り発生リスクが高くなるので注意が必要です。

越屋根の特徴

越(こし)屋根は、採光や風通しを約するために屋根の上に
さらに小さな屋根組をのせた形状の屋根です。

煙抜きのために設置されることもあります。

越屋根のメリット

越屋根では開口部が高い位置に来るため、熱気が抜けていき
風通しが良くなります。

また窓の設置の仕方次第で、夏の日射しを防ぎ、冬は採光しやすくなります。

越屋根のデメリット

構造が複雑で、やはり雨漏りが多発する傾向があります。
雨漏りが発生した時、原因究明にも時間と費用が相当かかるため

特にこだわりがなければ避けた方が良いデザインです。

陸屋根の特徴

屋根の勾配がほとんどない「陸(りく/ろく)屋根」は
RC住宅で利用されることが多いです。

ちなみに、同じ形状のタイプの屋根になりますが
「無落雪(むらくせつ)屋根」という屋根もあります。
建物外周部に雨、雪が落ちることが無いのが特徴です。

陸屋根メリット

屋根面がほとんど平らになるので
ベランダのように人が歩くことができる点が長所といえます。

積雪地域の場合、雪が滑り落ちる斜面がないため
落雪対策をほぼ行わなくて済みます。
※(建物に雪の重量がかかるため下地の補強が必要です)

陸屋根デメリット

傾斜がない構造上、水が流れずに溜まってしまうため
防水層の防水性能と耐久性によって、雨漏りの危険性が大きく変わります。

できるだけ施工時には高性能な防水層を選ぶ必要があり
また防水シートが破れていないかなど

リフォーム会社に定期的に点検してもらうことが重要になります。
なお太陽光パネルを導入したい場合には、角度をつけなくてはならないため

傾斜を取るための工事が追加で行う必要があります。

北海道に多い無落雪屋根

無落雪屋根って大丈夫なの? その弐 | 秋田県大館市を中心に超省エネ・超快適な家造りを探求するブログ

雪を落とさずに自然にとかして処理する屋根のことを、無落雪屋根と言います。
落雪の心配がなく、雪下ろしなども必要ないために積雪量の多い地域で人気の屋根です。

雪に悩まされることの多い地域の住宅に採用するにはメリットの多い無落雪屋根ですが
デメリットも存在します。

後悔しないために事前に欠点を理解した上での採用が重要です。
この記事ではそんな無落雪屋根について、種類や特徴からメリット、デメリットまでを詳しく解説していきます。

無落雪屋根のメリット

なんといっても、建物周囲に雨水、雪が落ちないということが最大の特徴です。
また、雪下ろしをする場合は、通常の屋根と違って滑ったとしても地面へ落ちることが無いので

雪おろし時の災害も低減することが出来ます。(端部からの落下はあるので注意は必要です)
余程のことが無い限り雪下ろしをすることが無いということもメリットの一つです。

無落雪屋根のデメリット

デメリットととしては、無落雪という位なので、基本的に雪は落ちることはありません。
そのためヒーター、熱線等を入れていたとしても、大雪が降った場合

屋根に積もった雪の重さが直接住宅にのしかかってくるので、住宅への負担が大きくなりがちです。
また、構造を補強したりしなければならないので金額的にも通常の屋根よりは多くなります。

もっとも注意が必要なのは定期的なメンテナンスをしなければならない!と言うことです。
スノーダクト方式の場合は、特に屋根付近に立ち木などがあった場合

落ち葉となった葉が排水口を塞いでしまい、屋根がプール状になってしまうケースが多くあります。

 

屋根の形状変更のリフォーム費用相場

雨漏りや雪対策のために、屋根の形状を変えたいと思ってる
方も中にはいらっしゃると思います。

変えようと思えばいくらでも変えられるのですが
屋根の下地の構造などで好きな形に出来ないこともあります。

それ相当の金額もかかるため、安易に形状を変えようとするまえに
業者を交えて計画をすることをお勧めします。

屋根の形状変更のリフォーム費用相場

リフォーム費用の目安ですが、一概にいくらとは言えません。
屋根の形状、建物の構造、外壁の撤去、養生の仕方など

現場によって違ってくるものです。
ネットに散らばってる、予想金額はほぼ当てになりません。

確実に金額を知るには、やはり専門家への相談が必要となってきます。

屋根の形状を変える場合の注意点の記事は下記を参考にしてください。

屋根の形状を変えると、確認申請が必要?固定資産税も変わる!

工事現場でのリアルなつぶやき
>・・・建物を長持ちさせるために・・・

・・・建物を長持ちさせるために・・・

建物は月日の経過とともに、日々劣化していくものです、建物の状況を確認し、気になる点や破損個所があった場合、被害を広げない(修繕費用を抑える)ためにも早めに対処が必要とされます。

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