冬になると気温が下がり、雨が雪に変わってくるものです。
そこで注意したいのが雪による災害です。
積雪地方では、屋根からの落雪で怪我や死亡するといった事故が多発する時期です。
ここでは冬に起こりやすい雪害について、事例とともに詳しく解説していきます。
さらに事前にできる雪害対策についても8つご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
大雪で考えられる災害って?
近年、北国での積雪は当たり前ですが、気候の変化の影響により首都圏でも大雪がるといった事が多々あります。
大雪が降ると言った陽報が出た場合は、自主的に早めの帰宅を考えたり
不要な行動をしないようにするなどと言った対策をする方が増えてきています。
冬になって気温が下がる事で、降雪量が有無にかかわらず、路面が濡れていた場合ブラックアイスバーン
などというような、現象がおこり転倒、車両事故などがおこりやすくなります。
大雪になればより危険な事故にもつながります。
まずは、大雪によって起こり得る雪害について
北海道に住む自分が知ってる限り詳しく説明したいと思います。
雪による災害のこと雪害といいます
雪によって起こる災害のことを「雪害」と呼びます。
雪害は豪雪地帯である北海道や東北地方だけでなく、日本の約半数の地域で起こっている身近な冬時期の災害です。
雪害の被害は生死に関わるものも多く、普段雪が降らない地域であっても雪害について知っておく必要があります。
又、「雪害」とは別に「凍害」という害もあります。
凍害については他の記事で説明をしています。
積雪地方で北海道地方や東北地方などの寒い地域にお住まいの方で外壁にひび割れが入ったり表面が剥がれてきていたりそんな現象に悩まされている方は多いのではないかと思います。寒冷地で発生する上記のような症状は【凍害】[…]
雪による事故は大きく分けて次のパターンがあります。
除雪中の巻き込み事故
雪道での車の事故
雪道での転倒事故
雪のレジャー中の遭難事故
雪崩による事故
屋根からの落雪事故
屋根の雪下ろしに作業による事故
など、いろいろ危険が潜んでいます。
あまり雪が降らない地域では雪に慣れていないため、歩行中や車の雪道での事故が多くなります。
そういった状況に慣れている、人間でも毎年のように事故を起こしたりするものです。
ワンポイント! 雪による災害は保険で補償されます!
大雪や豪雪、雪崩などの雪害で、自宅や家財に被害が生じた場合は
火災保険の「雪災補償」で補償されます。
「風災・雹(ひょう)災・雪災」はセットになっていて
多くの火災保険で、加入すると初めからついている補償です。
雪災とは、雪の重みや落下などによる事故または雪崩のことをいい
融雪水の漏入や凍結、融雪洪水、除雪作業による事故は除かれます。
つまり、雪による被害でも雪災補償の対象外となる被害があるということです。
たとえば、雪解けによる洪水(融雪洪水)で自宅に損害があった場合は
火災保険の「水災補償」で補償されます。
火災保険に「水災補償」をつけていると補償されます。
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国土の半分は豪雪地帯に指定されている
出典:国土交通省|豪雪地帯・特別豪雪地帯の指定
表で見ての通り、日本の半分は豪雪地帯として国土交通省に指定されており
約2000万人もの人々が豪雪地帯で生活しています。
豪雪地帯に住んでいる人はもちろん、豪雪地帯の住民でなくても
旅行や雪のレジャーを楽しむ際に雪害に遭う可能性があります。
豪雪地域に旅行、レジャーなどをしに行く方は、安全に楽しむために
非豪雪地帯に住んでいる方も雪害への知識は深めておくべきだと思います。
雪害の種類
代表的な雪害の種類は次の6つです。
積雪害 | 長時間の降雪で、道路や歩道、線路などが埋もれる |
雪圧害 | 雪の重みで、家屋や樹木が損壊したりする |
雪崩害 | 山の斜面に積もった雪が崩落し、人や建物を巻き込みながら滑り落ちていく |
着雪害 | 電線などに雪が積もり、電柱の傾斜や電線が切断される |
風雪害 | 強風とともに雪が降ることで、視界が悪化する |
その他 | 雪解けなどによって路面が凍結し、転倒や転落、スリップ事故が起こる |
いずれも死亡事故が起こる危険な災害のため、雪への対策は欠かせません。
雪害は種類によって起こる事故も対策も異なるため、事前に確認しておきましょう。
積雪地域で起きた雪害の事例
雪害は雪の降っている地域では毎年のように起こっています。
最近では東京でも雪が積もり、電車などの交通障害が出てきています。
気候の変化により、今後どんな重大な雪害が起こってくるのか、誰も予想できません。
雪害は毎年日本各地で起きていますが、過去にはとても甚大な被害が起きた雪害もあります。ここで豪雪による雪害事例を2つご紹介します。
日本海側で起きた平成18年豪雪
平成18年豪雪とは、2005年12月から2006年2月にかけて日本海側を中心に発生した豪雪のことです。
急激に発達した低気圧の通過と断続的な寒気の流れ込みが原因で、北海道や山形などの地域で大雪や寒波などが起きました。
平年の降雪量、最深積雪を上回り、特に新潟の山間部にある津南町では4mを超える最深積雪も記録されています。
バスや空港全便が欠航になるなど、各交通機関のマヒや雪崩も発生し、多くの犠牲を出しています。
また、雪崩以外でもスリップなどによる交通事故や落雪による事故、雪下ろし中の転落といった人的被害が目立ちました。
また家屋被害も多く、広島県では一部損壊の住宅が1,000件以上と甚大な被害をもたらしました。
国内の広い地域で起きた平成30年豪雪
平成30年豪雪は2017年11月から2018年3月にかけて、国内の広い地域で起きた豪雪のことです。
北陸や関東甲信越、東北太平洋側、関西地方など普段あまり雪の降らない地域にも大雪が降ったため
交通機関に甚大な被害が発生しました。
豪雪の要因は、2017年秋頃に発生したラニーニャ現象や北極の成層圏突然昇温が関係していると考えられています。
大雪の影響によって通行止めや立ち往生が発生し
特に福井県では約1,500台の立ち往生によってコンビニやスーパーの物流遮断も起きています。
他にも歴代最高の積雪や低温など記録的な大雪を記録しました。
北日本~西日本の日本海側を襲った豪雪 令和2年
令和2年12月14日から21日にかけて強い冬型の気圧配置が続き
上空には強い寒気が流れ込み続けました。
北日本から西日本の日本海側を中心に断続的に雪が降り
14日から21日にかけての期間降雪量が、群馬県藤原で291センチとなったほか
新潟県津南で278センチ、青森県酸ヶ湯で243センチとなるなど
関東地方や北陸地方、東北地方の山地を中心に大雪となりました。
特に群馬県藤原では、48・72時間降雪量の期間最大値がアメダス観測値による統計で
歴代全国1位を更新する記録的な大雪となりました。
この大雪により、新潟県や群馬県の関越自動車道で多数の車両の立ち往生が発生したほか
北日本から西日本にかけて道路の通行止め、鉄道の運休、航空機・船舶の欠航等の交通障害
多数の除雪作業中の事故が発生しました。
雪が降った時に被害を抑えるための対策
雪害による被害は甚大になりやすいですが、知識をもって行動することで被害を最小限に食い止められます。
ここからは雪害の被害を抑えるための対策を6つご紹介します。
作業環境や天候を確認しつつ、定期的に除雪作業を行う
家屋の倒壊や落雪を避けるためにも定期的な除雪作業は重要です。
しかし、雪害で多い被害は除雪作業中の事故があげられます。
そのため、除雪作業を行う際は天候や作業環境をよく確認しなければなりません。
特によく晴れた日に屋根の雪下ろしを行うと、雪解けによって足を滑らせてしまい
転落してしまう危険性が高くなります。
なるべくなら、天気は悪くなく、気温が低い状態のときに作業するのがベストだと思います。
除雪作業を行う際(特に屋根の雪下ろし)は事故を防止・早期発見するためにも
できる限り2人以上で行ってください。
また、FFストーブを使用してる家庭が多いと思われますが、FFストーブの排気を雪で埋まらないようにしましょう。
気づかずに、寝てしまうと二酸化炭素が発生し命に係わるもんだとなります。
この場合は、天候が悪くても意地でも煙突を守りましょう。
転倒防止のため大雪の際にはなるべく外出をしない
大雪警報などの予報の場合は、不要不急の外出はできるだけ避けましょう。
雪が降る続くことにより、積雪が増え車が動けなくなることもあったりします。
また、風が強い日には走行中にホワイトアウトにあい、前が見えなくなりブレーキを踏んだら
制御不能になったりします。(路面が凍結しているためです)
前が見なくなって怖く車を止める!それはそれで8割がた追突される危険があります。
どちらにしても、かなり危険な状況です。
そうならないためにも、外出はなるべく避けましょう。
雪道を安全に歩く練習をしておく
これは、練習のしようがないのですが、普段から気を付けて転ばない歩き方を
自分なりに研究するしか他なりません。
雪道は普段のようにかかとから歩きだすと滑りやすく、受け身も取りづらくなります。
路面に雪が残っている場合は、滑りにくそうな部分を通るか
転びにくい歩き方で歩くしか、普段通りに歩くかしか方法はありません。
雪道では「小さな歩幅で靴の裏全体をつけて歩く」と転倒しにくくなります。
よく「ペンギン歩き」という表現をしますが、ご存じでしょうか?
ペンギンは手を広げて歩きます、これはバランスをとるために手を広げています。
まさにその歩き方をすることで、何故か安定して転ばず歩くことができます。
当然ですが、靴は冬用の靴を履いている条件のもとです。
手を広げていることで、転倒してしまった場合にも、手が素早く反応してくれるため
怪我をするリスクも減るとも言われています。
車の運転をする場合は、牽引ロープ、スコップなど持っておくこと
大雪が降った日は基本的に車でのお出かけは控えましょう。
どうしても運転しなければならない場合は、積雪地方以外で
雪が積もっている場合は必ずスタッドレスタイヤに履き替えておきましょう。
スタットレスタイヤが無ければ、タイヤに巻き付けるタイプのチェーンなどを装着しましょう。
普通のタイヤのまま運転すると、路面の凍結によるスリップ事故の危険性が高くなりますし
そもそも、坂道などで動けなくなったりします。
運転をする際は、路面状況把握し、急ブレーキやスピードを出さない慎重な運転が必要です。
また運転中に大雪に見舞われた時のために、車内には防寒着や除雪用スコップ
牽引ロープなどの装備をしておくことをお勧めします。
雪によってホワイトアウトしてしまった場合は無理に運転せずハザードランプを点灯させながら停車してください。
ただ、停車をする時間が長すぎても危険です。
後続車両による追突事故の発生のリスクが高まります。
どちらにせよ、命に係るような危険な状況です。
運転をする際は、それを覚悟したのうえで運転しましょう。
防災グッズを見直しておく
積雪によって交通機関などに乱れが生じると、周辺のスーパーなどの物流がマヒしてしまう可能性があります。
また、着雪害によって停電が発生してしまうと
復旧まで時間がかかるため、普段から防災グッズを備蓄しておきましょう。
防災グッズを用意する場合は、最低3日分、余裕を持って1週間分の食料や飲料が準備できると安心です。
非常食以外にも防寒着や毛布などの寒さ対策
雪害情報を確認するためのスマホの充電器や簡易電源の用意もおすすめです。
冬が来る前に家族で必要なものを話し合っておくといいでしょう。
外出ができなくなる可能性があるため、常備薬の準備をしておく
大雪が降ることで外出できなくなり、病院に行けなくなってしまうこともあります。
すぐに病院に行けない時のために、ある程度、常備薬の準備をしておきましょう。
風邪薬や解熱鎮痛剤、胃腸薬など、普段から使用しているものを中心に準備することが大切です。
また高齢者や持病がある方は、処方薬が切れないように通院スケジュールを立てておく必要があります。
多く溜め込む必要はありませんが、1週間程度通院しなくてもいいように準備できると安心です。
まとめ
雪害は、豪雪地帯でなくても起こる身近な災害です。
近年は、関東でも大雪を観測することが増えているため、冬に向けてさまざまな雪害対策が必要になります。
主な対策が以下です。
・転倒防止のため大雪の際にはなるべく外出をしない
・雪道を安全に歩く練習をしておく
・車の運転をする場合は、路面やタイヤを確認する
・防災グッズを見直しておく
・外出ができなくなる可能性があるため、常備薬の準備をしておく
大雪が降ることで身動きが取れなくなるため、早めの準備を心がけましょう。
この機会に防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。
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いつでも確認しておけるようにしておきましょう。