プロの技術者が選ぶシリコン塗料の特徴・費用について

シリコン塗料の特徴や費用について

シリコン塗料の特徴

シリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とする塗料です。
正確には「アクリルシリコン塗料」といいますが、業界では略してシリコン塗料と呼んでいます。

新築はもちろん、外壁、屋根のリフォームで使われることが多く
現時点ででは、この材料が主流となっています。

又、耐用年数、価格ともに総合的にもバランスが良いのが主流となる理由で
多くの業者から信頼されている塗料です。

シリコン塗料の耐用年数

シリコン塗料の耐用年数は、外壁塗装で7~15年でアクリル塗料と比べるとはるかに長持ちします。
住宅用塗料の中ではトップクラスの材料でしょう。

住宅用の塗料には、安価なものから順に「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」・・・
といろいろなグレードがあります。

シリコン塗料は、価格・耐用年数ともに上であげた4つの種類の中で言えばフッ素塗料の次となる塗料です。

シリコン塗料(塗装)のメリット

汚れにくく、コスパが高い

塗膜が剝がれにくく、撥水性があるので汚れはもちろん、カビや藻が生じにくいという特長があります。
内部結露(外壁の内側に発生する結露)を防止する効果もあるため、結露対策として外壁をシリコン塗料でリフォームするご家庭も多く見られます。

又、断熱・遮熱性が高いといった利点があります。

メンテナンス費用を抑えられる

アクリル塗料、ウレタン塗料と比べると≒1.5倍も長持ちすることになります。
以上のような理由から、シリコン塗料で外壁や屋根を塗装すると、耐久性が向上し

建物(塗装面)劣化が遅くなり結果的に、次に塗り替えるまでの期間を延ばせます。
断熱・遮熱性もあるシリコン塗料にした場合は、冷暖房費を抑える効果も期待できます。

シリコン塗料(塗装)のデメリット

他の塗料よりヒビ割れしやすい

外壁やモルタル面に塗装した場合、シリコンは塗膜部分が硬く剥がれにくいというメリットがありますが
ウレタンなどの塗料に比べると弾性が低いです。

地震で外壁がヒビ割れした場合に追従できず、シリコンの塗膜も一緒に割れてしまうことが多いです。
ただし、モルタルやコンクリートの外壁の場合には

弾力性のある「弾性塗料」というタイプの塗料を選べ解決できます。
一方、サイディングの外壁には弾性塗料は向きません。

どのような素材の外壁であっても、それぞれに合った塗料を把握している
リフォーム会社と相談し、適した製品を選びましょう。

重ね塗りには不向き

シリコンは、重ね塗りをする際に塗料を弾いてしまう性質があるため
10年後位に再び塗り替えをしたい際に、塗膜の密着性が悪くなってしまう可能性があります。

一般的に言われていることですが、実際下地をちゃんと処理していれば問題なく充分きれいに塗装できます。
リフォームをする際には、下地を丁寧に施工してくれる職人さんを選ぶ事がポイントです。

シリコン塗料(塗装)の費用の相場

他材料との比較をしてみよう

シリコン塗装にかかる費用の相場は、1㎡あたり2,300~3,800円程度です。
現在では主流となっている塗料と、他の同等レベルの塗料を比べてみたいと思います。

シリコン、ウレタン、フッ素塗料の価格・耐用年数を比較

シリコン塗料の費用や耐用年数は他の塗料比べ、どのくらい差があるのでしょうか。
ここでは、ウレタン塗料やフッ素塗料で塗装した場合との、施工金額や耐用年数の違いについて比較してみましょう。

塗料の種類施工単価(㎡)耐用年数
ウレタン1,700~2,800円/㎡5~10年
シリコン2,300~3,800円/㎡7~15年
フッ素3,500〜5,000円/㎡12~20年

シリコン塗料で塗装する場合の費用は、1㎡あたり約2,300~3,800円で、例えば一般的な30坪の戸建て住宅の外壁塗装をする場合
建物の形状などで変わってきますがおよその予算は50~80万円前後と考えておきましょう。

工事にかかる費用だけで考えれば、ウレタン塗装が最も安価ではありますが
シリコンで塗装した場合よりも2~5年前後早く、次の塗り替え時期を迎えてしまいます。

対してフッ素塗料であれば、シリコンと比べて5年近く持ちますが、その分リフォーム価格が高額になります。

シリコン塗料の種類・グレードの違い

塗料を選ぶときには、「水性/油性」と「1液型/2液型」の違いも知っておくとよいでしょう。

シリコン塗料は外壁・屋根塗装で人気!価格や特徴は?ウレタンやフッ素と比較

「水性」と「油性(溶剤/弱溶剤)」がある

どんな塗料でも、水性と油性に分かれていますが、水で薄める塗料が「水性」
シンナーを使用して希釈する塗料が「油性」です。

もっと言えば、油性塗料には「溶剤」と「弱溶剤」の2タイプがあり
弱溶剤のほうがシンナーの刺激や臭いが少ないという特徴があります。

最近は、環境に優しい「水性」塗料や、刺激臭の問題を軽減した「弱溶剤」塗料の開発が進み
外装リフォームで主流になってきています。

「1液型」より「2液型」のほうが良い

また、水性・溶剤・弱溶剤のいずれのタイプも、「1液型」か「2液型」に分けられます。
「1液型」は塗料缶が1つですが、「2液型」は主剤(塗料液)と硬化剤の2缶で構成されます。

1液型は、価格が安く、塗装するときに水もしくはシンナーで薄めればすぐに使えるため
現場での取り扱いが簡単で施工しやすいというメリットがありますが、塗れる素材が限られます。

一方、2液型は、水やシンナーで希釈するだけではなく、正しい比率で主剤と硬化剤を混ぜ合わせなくてはならず
混合後にはどんどん固まっていくため、経験のある業者でないと扱えません。

しかし、耐久力は1液型より高く、さまざまな素材に対応できるという良さがあります。
なお、水性2液型のシリコン塗料製品はまだ少なく、水性1液型や弱溶剤の1液型・2液型の商品が、現在は多く流通しています。

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