冬場の寒冷地での基礎工事はまずい!?金額も割高に・・・!

はじめに

 

冬場の寒冷地での基礎工事にはリスクしかない!

北海道(寒冷地)の場合基礎工事、上物の工事もそうですが
基本的に寒冷地仕様となる部分が多々あります。

例えば、車を例に出すと

レクサスを買ったとしましょう。
同じ車種で、同じグレードの車を購入したとしても

関東地方で乗るか、北海道でのるかで車の価格が
30~40万程度変わってくるのです。

何故かというと、まずバッテリー、水系を送り込むポンプなどを
強化する必要があるからです。

住宅(住宅の工事だけに限りません)においても同じことが言えます。
コンクリートはもちろん、建材に関しては(外壁材、サッシ、その他いろいろ)

基礎に関しては温度補正によるコンクリート強度の割増しなど・・・

なので

関東地方と北海道で同じ大きさ、同じ間取り、同じ形
(基礎の場合、土の中に埋め込む深さが違うので地域によって形状(形)が変わる)

で作った住宅だとしても基礎だけでも数十万という金額の差は当然ながら出てきます。

そういった違いから、寒冷地仕様になると基礎だけに限らず金額に大きな差が出てくるのです。

冬場の住宅工事での基礎に対してのリスク

寒冷地では、外気温によってコンクリート強度を使い分けます。
外気温が低いほど、コンクリート強度の高いもので施工します。

そもそも寒い時期に施工するコンクリートを「寒中コンクリート」と呼んでいます。
寒中コンクリートは、コンクリートが凍結する恐れのある期間に施工されるコンクリートのことで

日本建築学会において、しっかりとした施工指針にもなっています。
つまり、冬場のコンクリート工事は「非常に危険な時期のコンクリート工事」なのです。

かといって、適正な処理をすればそれほど危険なものにはなりませんので安心してください。
ただ、リスクの事でいうと通常の季節とはちがって、高くはなってくると思います。

又、上記でも言ったように、コンクリートに補正をかけて凍結を防止することとは別な方法として
凍結防止剤を直接コンクリートに混ぜて対処する方法もあります。

 

現場的にはリスクを回避する方法はあっても

 

以下で述べることは

どうしても回避出来ない

 

そんなことがあるのです。

 

金額に対してのリスク

まずは全く同じ建物を建てようと思っても、たた冬場に建てたというだけで
金額が変わってくるということです。

これは、建て主からしてみたら重要なことですよね。
10万とかのレベルじゃないんですよ。

我慢出来るのであれば、特に基礎工事関しては冬の時期は避けて
春、夏、秋(秋でも気温が低くなる前)の季節に工事をすることをおススメします。

金額が変わる大まかな理由

基礎工事は地域によって、工事金額が変わってきます。

  • 地面への凍結深度があり地面より〇〇㎝以上基礎を埋め込んでください。
    というような規定があるからです。当然、基礎が深くなることによって
    基礎の深さの違いによって鉄筋、型枠、コンクリートなども変わります。
    それに関わってくる、手間なども費用として割り増しとなっていくのです。
  • 現場の養生(冬季養生ともいいます)これは、コンクリートの温度を下げないようにするためです。
    そのために、外気温は5度を下回ることのないように、基礎を全面養生(テント、シート等の囲い)をして
    その内部を集中的に暖房をし24時間テント内を暖めなければなりません。
    場合によっては、コンクリート内に熱線を埋め込んで内部からも暖める方法をとります。
    北海道は、最低気温が-10度を下回りますし、場合によっては-30度付近まで下がったりします。
    確実に大丈夫と言える施工をするには、それなりの経費をかけないと無理だということです。
    なので、テントを作って、ジェットヒーターを24時間つけてなどを行う人件費、電気代、暖房器具
    灯油代、夜間の見回り人などの経費が当然お客様の負担となってきます。

写真のように暖房するために建物を囲わなくてはなりません。
この養生費だけでも数十万は飛んで行っちゃいます。

基礎コンクリート

  • コンクリートには時期により温度補正(強度の割増し)がかかってきます
    強度を変えるだけで金額も変わってきます。
    又上記でも少し触れましたが、寒中コンクリートではまた費用が変わってきます。
  • 当然、現場では安全を確保するため、足場上の除雪作業はもちろん
    敷地内の除雪、駐車スペースの除雪などをしなければなりません。
    通常、冬場の工事は経費として上乗せされます。

施工、仕上がりに対してのリスク

当然、寒さ対策を完璧にしていれば、施工的には問題はないのです。
そうは言ってもいろいろとあるのです。

予算の事でいうと!

  • 最終的に結局なくなる仮設(煖房するだけ)のために数十万も多く払えない。

自然現象のことで言うと!
注意を払って施工しているものの

  • 強風でシートに穴が開いて室内気温がさがったため、仕上げがやり直しになった!
  • 雪でシートが押しつぶされ、濡れてはいけないものが濡れてしまったなど

温かい時期と比べ作業的には上手くいかない割合が多くなってしまいます。

基礎施工に対してのリスク

  • 雪が鉄筋、型枠の中に入ってしまい、知らずにコンクリートを流し込むと
    雪の部分、氷の部分だけが空洞になってしまいます。
    当然、基礎の強度が保てなくなりますので、基礎を作る観点から見ると、品質的には落ちてきます。
    業者場としては温水を流し雪または氷をとかして施工します。
    しかし、その瞬間、鉄筋に冷やされた温水が凍り付き
    コンクリートと鉄筋との付着がうまくいかないことがあったりします。
    コンクリートの温度でカバーできると思いますが、完璧ではないのです。
    ※これに関しては、お客様の予算だったりで囲いが出来なかった場合の想定です。
  • 現場周辺、現場内、作業場の除雪による経費、また、工期の遅れが生じてきます。
  • 最後の基礎の仕上げ(モルタル)が凍結して、剥がれてくる。
    水性塗料もモルタル同様です。
    油性だと問題ないのですが、最近は環境問題で水生の塗料が使用されるようになってきました。
    当然、水生なので適正な養生をしなければ凍結してしまいます。

その他リスク

  • 働く職人さんの心理状況
    基礎が終わり養生を撤去してしまうと、これからやる大工さんは壁を張るまで
    野ざらし状態になります。当然、大工さん寒いんです。プロだと言っても寒いんです。
    そうなると、その状況から逃れるため、少しでも早く終わらせたいという心理が働きます。
    どんな優秀な大工さんでも乱れが生じるものです。
  • 木材にへの影響
    木材に関しては、冬場は乾燥しています。今では住宅に使う木材は乾燥材を使って建てられています
    そうはいっても、木は伸縮を懲り返します。冬場に建てると伸縮した状態の木材を使うことになります
    そうなると、温かくなると当然膨張してきます。
    クロスの入れ隅に隙間が生じてきたりするのが、そのためです。
    どちらかと言うと膨張するより、伸縮する方が仕上げに対しての影響はすくないのです。
  • 外部下地が水分付着で凍結した場合
    外回りの外壁下地の合板張では、雪に付着すると溶けた水が残ってカビが生えたりする原因になる。
    これは夏も冬も濡れるということに関しては変わりはないのですが
    冬の場合、表面がうっすら凍っていると、その薄い透明な氷にに気づかず
    防水シートなどをはり、閉じ込めてしまうことがあります。
    それがのちに溶けた時逃げ場がなくなって悪影響を及ぼしたりします。
  • 除雪作業
    冬場の工事では、除雪作業なしででは工事がうまく進められません。
    雪の影響で考えられる状況としてはいろいろ考えられます。・工事車両の駐車スペースに止められな
    ・足場上に上がれない
    ・仮設で基礎を覆っている屋根が潰れそう
    ・そもそも雪の影響で現場に来れれない
    ・外部下地への雪の付着など・・・いろいろな影響を及ばします。
    これらの問題には全て除雪作業が付きまとってくるのです。

トータルするとかなりの手間が雪かきに費やされてくるのです。

そりゃそうだ!と思っている・・・・あなた!

その分も施工費としてお金を取られているんですよ!
アホみたいに「除雪作業」と書く人はいません!

経費や手間の中にこっそり入っているのです。

リスクを回避する対策

シート養生について

皆さん建築現場で目にしたことはあると思いますが
基礎を丸ごと囲い外気から少しでもコンクリートを守ろうと言う意味で組み立てます。

人間が寒いからという理由で組み立ててる訳じゃないんですよ(笑)

こうやって養生をすることによって、外部からの冷気を入り込まないようにします。
それだけでは、内部の気温がマイナスまで下がってしまうので

内部でジェットヒーターなどを用いて煖房します。
とにかく、コンクリート様様なのです。

コンクリート様の温度を2度以上に保つようにしてあげなければなりません!

※豪雪地域では、この養生事雪の重さで押しつぶされることも多々あるので
これに対しても管理をしていかなければならないのです。

とにかく、冬場の基礎工事は  出来ますが・・・

問題が多々あるのも事実です。

 

コンクリートについて

住宅で言うと基礎部分に当てはまります。
基本的にコンクリートは冬季間の寒冷地では何もしなければコンクリートが凍結します。

それを避けるためには、基礎をまる事囲い採暖することによって凍結を防止します。
基本的にコンクリートの温度を2度以上に保つことが重要です。

凍結を防止するには、他にもいろいろ方法があります。
養生期間を短くするために早強ポルトランドセメントを使う。
凍結防止剤等混和材を使用する。
寒中コンクリートを使う。

など方法はいろいろあります。

あるんですが・・・

現場は管理さえ適正に行っていれば問題なく納める事が出来るでしょう。

しかし・・・

金額が増す、手間がかかるというリスクからは避けられません。

できる事なら冬場(氷点下)になる時期の基礎の工事は避けた方が良いです。

 

型枠について

当然、夏場と違い型枠の脱型時期が遅くなります。

基本的には打込み後5日間以上はコンクリートの温度を2度以上に保つというのが原則です。
状況により3日程度で脱型する場合もあったりします。

公共工事仕様書では5日間は型枠を取り外したらいけません!
という事ですが、コンクリートの初期強度が5ニュートンを以上であれば

3日でも型枠を取り外す事が出来ると言うことになります。
逆に夏場はコンクリートの急激な温度上昇を抑えるため

打設してある程度固まってきたのを確認したら水を撒いて養生したりします。

 

補 足

冬場の寒い時期にあたり前のようにコンクリート工事をしている現場を見かけますが
その度に大丈夫なんだろうか?ちゃんとやってるのかな?と不安を感じます。

寒中コンクリートとして施工をしていればほぼ大丈夫なところですが。
お客様の負担を考えると、温度補正だけで大丈夫な気温であれあば、そうした方がいいのかな?とか。

温度補正をするにしても、寒中コンクリートにするにしても、お金もかかりますし、工期も長くなります。
なので、お客様の負担を減らすためにと考える業者も少なくありません。

しかし、技術的に解って大丈夫と言ってるのか、そうなのか?といわれると
全てがそうでもないことでしょう。

寒い時期に基礎工事をすることになったのであれば、必ず施工会社にコンクリート対策を聞いてください。
「温度補正だけで大丈夫ですか根拠は?」と聞いてもいいんです。

本当に寒い時期では温度補正だけでは不十分な場合ああります。
業者選びの際には、ぜひ、冬場の施工能力、知識を気にして選ぶようにしてください。

たとえ、冬場の工事を考えていないとしても、「冬の場合、工事は大丈夫でしょうか?」と聞いてみると良いと思います。
その時に、簡単に「大丈夫!」と言われたら、ちょっと疑いの目を持つことも必要かもしれません。

冬の工事の難しさを知っている会社であれば、冬場の問題点、注意点をしっかり話してくれるはずです。
思い切って「寒中コンクリートで施工するんですか?」と聞いてみても良いと思います。

それに対する返事で、施工会社の技量、技術が分かると思います。

 

とは言っても「どの業者が良いのかなんて解らない」と思います。

 

冬場の時期に工事をしないければならない場合は、リスクはつきものです。

業者に直接聞くと工事をしないと申し訳ないと思ってしまう方は

(新築計画を無料でサポート、相談が出来る簡単新築計画)

を利用することで気兼ねなく相談できると思います。

 

他にも工事をすると決めている場合でも、上記で紹介したサイトはもちろん

以下の記事でも、自分が選びだした安心できるリフォーム無料見積もり比較サイト
2社を徹底比較してみましたので参考にしてください。

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