簡易的なスロープを木材でつくる
近年、身障者に対する建築のありかたなど、いろいろな視野から計画されたり
専門的知識をもって物つくりをしていかなければならないのです。
しかし、その用途で使用する計画が最初からあるのであれば、その考えを取り入れた工事を
出来ますが、そうでない場合は健常者をメインとして計画していくのが現状です。
そういった建物は数多く存在します、そういった状況になってから対応するといった状況が
現実ではないでしょうか。
ある施設の室内からの出入りを可能にしたいという希望があり製作してみました。
スロープの豆知識
スロープ・段差解消の工事をする前に、知っていると便利な豆知識をご紹介します。
例えば、段差は5-8cmくらいあると、高齢者でなくともつまずきやすいものです。
買い物カートなどのコマ(タイヤ)は段差だけでなく、5cm以上の溝でも
引っ掛かり転倒の危険があります。
エクステリア工事のバリアフリー化で見逃しがちな所を紹介したいと思います。
段差でスロープが必要と思ったときに
自身で通行できる勾配
基本的にというか基準では高さの12倍(1/12勾配)
この勾配は車椅子使用者が自身で通行出来る勾配の基準です。
補助が必要な勾配
基準では8倍(1/8勾配)
この勾配になると自身で通行するにはきつい勾配です。
なので補助押してあげる人が必要となります。
例)地面との段差が50センチの場合
12倍で6Ⅿの長さのスロープが必要です。
8倍なら4Ⅿといったことになります。
現状でその勾配を取ることが出来ないことも多々あるので
そういった場合は、出来る限り勾配をゆるくして作ってあげると良いと思います。
木でのスロープ作り
まずは本体の床の下地を組み込んで、その上にべニア板を張り付けていきます。
張り付けが終わったら適当な長さで足を付けておきます。
何故適当な長さかというと、設置する地面(タイル)がそもそも波をうっているので
同じ長さの足だとカタカタするからです。
現場にて足一本一本の長さを決めて行かなければならなのでものすごく手間がかかります。

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持ち運びをするという事なので、大人二人で持てる重さにするため
4分割にして作ります。

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足一本一本の長さを調整しようやくカタカタしなくなった状態です。
設置場所がズレたりするとカタカタします。
地面がスロープの足のついてる所の右、左で1㎝以上違います
設置しては撤去しての繰り返しで職人さんは結構体力を使ったと思います。
位置が決まり、カタカタしなくった所で
再び撤去をして、今度は床の仕上げ工事です。

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床を張るための接着剤を塗布しています。

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今回はゴムチップマットを敷き込むことにしました。
べニアそのままだと滑りやすいため、ゴムチップを敷くことで
滑りにくくなります。
ただ気になるのはグランド側の縁石の段差(‘◇’)ゞ
段差を解消するためにスロープを設けたのに、スロープの登り口に段差って(^-^;
う~~~~ん!
これは最初から解っていましたが、施設側で土を盛る?
と言ってましたので、後から処理をすることだろうと思います。
まとめ
やはり後からの身障者のための施工をすると、何かしら問題が出てきます。
自分の家のことでも、もし新築や増築などをする時には、将来を見据えて
計画を立てておくと良いと思います。
例えば、部屋の壁には手すりを何処にでも付けれるように
下地をあらかじめ入れておくなどしておくと
後に余計な出費をしなくて済んだりします。
今は健康でも、いつどうなるか解らないものです。
もし、出来るのであれば、将来的に手摺りを付けた方がいいのでは?
という場所があれば、あらかじめ壁面にその高さで下地を入れておきましょう。
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