住宅を作るにあたって外観はやはり気になるものです。
間取りももちろん大事ですが、第三者から見れば外観を見るのが多くを占めます。
のあで外から見てもカッコいい住宅にしたいものです。
実は建物は屋根の形ひとつで随分と建物の外観と印象はかわってきます。
(機能は別として、どの屋根の形がカッコいいと思うかは完全に好みです)
今回はそんな建物の上部に設置されている屋根の機能をはじめ
それぞれの形のメリットとデメリットを伝えたいとおもいます。
そもそも屋根の役割はなに?
住宅をつくる上で特に気になるのは外部からみる屋根の形かもしれませんが
実は屋根には形によって、それぞれの役割と機能があります。ですから住む場所はもちろん
それぞれの地域の気候条件などを考慮して屋根の形を決めなければならないと言っても過言ではありません。
雨を落とす位置、雪国では雪の落とす位置自分がどうしたいかによっても屋根の形は変わってきます。
屋根に求められる役割はいくつかありますが、どの形の屋根にも共通して言えることは
「住まいの安全性を高めること」にあります。
また、一般的に屋根に求められる役割で代表的な役割は以下の3つになります。
1:防水性
当然、一番の役割は雨風をしのぐことにあります。
2:断熱性
外からの日差しを遮ることにあります。
3:通気性
室内の熱を放出することにあります。
基本的にはこの3つが主な屋根の役割となります。
屋根づくりで覚えておきたい最低限の屋根種類
切妻屋根(図-赤屋根)
一般的に屋根と言われるとこの切妻屋根をイメージされる方が多いと思います。
切妻屋根の形としては上の図のように2つに折れた、よくみる一般的な屋根の形をしています。
屋根の頂上部(大棟)から右と左2面、地面に向かい野地板が伸びていき屋根の形を構成しています。
一般的に屋根と言われるとこの切妻屋根をイメージされる方が多いと思います。切妻屋根の形としては上の図のよ
うに2つに折れた、よくみる一般的な屋根の形をしています。
屋根の頂上部(大棟)から右と左2面、地面に向かい野地板が伸びていき屋根の形を構成しています。
切妻のメリット
切妻屋根は雨漏りがしにくいのが大きな特徴で、形状が複雑にならないほど雨漏りなどもおきづらいです。
また構造が単純で使う材料が少ないため作業が早くメンテナンスも安価に済ませることが出来ます。
屋根だけで考えるとコストを抑えることが出来るのです。
切妻屋根は、上からの雨を素早く排水する為の屋根の形としては一番優れている屋根の形といえるでしょう。
さらに切妻屋根は、ほとんど全ての屋根材を使用することが出来ます。
棟の下の屋根と天井との間に出来る空間”小屋裏”にロフトや収納部屋をつくることによって無駄な空間を
なくすこともできます。
雪が多い地方でしたら雪の落下する場所をある程度予測できるため雪の落下による事故を防ぐことが出来ます。
切妻のデメリット
切妻屋根のデメリットはほとんどありませんがデメリットとして良く言われるのが、多くの家で採用されている為個性的な家を建てづらいということです。
切妻屋根はデザイン性が低いため、バランスを考えないで切妻屋根を採用してしまうと、安っぽい家になる可能性もあるので注意が必要です。
また外観を工夫しないとどこにでもあるような建て構えの住宅になってしまう恐れがあります。さらに切妻屋根では屋根の面が東西に向いている場合、太陽光パネルの発電効率が非常に悪くなります。
雪が落ちる場所が限定されることはメリットではありますが、逆に雪が落ちる場所が集中するというデメリットにもなります。
まとめ
- 切妻屋根=日本で好んで用いられるポピュラーな屋根の形状
- メリット1:シンプルな形状なので和風・洋風問わずマッチしやすい
- メリット2:安価でコストパフォーマンスがよい
- デメリット1:シンプルゆえに個性やおしゃれさに欠ける
- デメリット2:メンテナンスを怠ると雨漏りリスクが高くなる
寄棟屋根(図-青屋根)
切妻屋根の次に良く見かけるのが寄棟屋根です。
切妻屋根が2方向の傾斜面に対して、寄棟屋根では4方向に傾斜面があります。
傾斜面が4方向にふえるため、その分日差しや雨などの影響をやわらげることができます。
また屋根の形が方形屋根に似ていますが、その違いは大棟があるかないかによります。
つまり、方形屋根は大棟がないためピラミッドの形をしています。
寄棟のメリット
外力による耐久性が高く、台風時などに強いのがこの寄棟屋根と言われています。
寄棟屋根は、傾斜面が増えるため屋根自体のコストが高くなりますが
どの方向からも日差しや雨を防いでくれます。
雨量や雪量を分散させることが出来るだけでなく風に対しての耐久性も高いのが寄棟屋根の大きな特徴です。
また寄棟屋根は洋風の住宅でも和風の住宅でもどちらのタイプの建物でも合わせることが出来ますし
大抵の建物の形にあいますので建物の形を選びません。
つまり寄棟屋根の場合、先にあげた切妻屋根と比べると屋根に凹凸ができることでメリハリがうまれ屋根に表情が出てきます。
寄棟のデメリット
寄棟屋根は、最上部の大棟から下っていく棟が4つあり特に、大棟と下り棟の取り合い部分「かき合い」とよばれるY字型の部分は棟部分が複雑になるため、雨漏りの可能性はそれだけ高まります。
棟板金の加工に手間もかかる為その分屋根を維持する為のメンテナンス費用は高くなります。
その形状のため太陽光パネルの設置数に制限があるばかりか、設置できないこともあります。切妻屋根と比べると屋根裏のスペースは小さくなり、また雨や雪が落ちる量は4方向に分散しますが、雨や雪が落ちる場所が増えるた
め注意が必要です。
まとめ
- 寄棟屋根=和風・洋風問わずあらゆるスタイルと相性がよい
- メリット1:強風や紫外線に強い
- メリット2:落ち着いたシックな外観に仕上がる
- デメリット1:接合部分が多いためメンテナンス費用が高くなる
- デメリット2:屋根裏が狭いため太陽光の設置がやや難しい
片流れ屋根(図-黄屋根)
片流れ屋根とはその名の通り、片方だけの面の屋根で、1面だけの屋根のことを指します。
上の図のように一方向へ流れている屋根のことを言います。
片流れ屋根は太陽光発電が普及するにつれて特に人気になってきた屋根の一つです。
コスト重視の場合、かなり優れた屋根となります。
また片流れ屋根は余計なものを削ぎ落としたデザインのシンプルモダンな建物に良く合います。
片流れのメリット
通常雨樋は屋根1枚につき1つ以上の雨樋が必要になるため、屋根の面の数だけ多くなりますが
片流れ屋根の場合はもともと屋根が1枚しかない為、雨樋の数が少なくて済みます。
そのため外観をかなりスマートに見せることが出来ますし屋根の構造が単純であるためコスト面でも安価で、雨漏りもしにくく雨樋の分の材料費がかかりません。
さらにデザイン性も非常に優れており、シンプルモダンなデザイナーズ住宅のような外観が片流れ屋根の大きな特徴です。
片流れ屋根は、雪の落下する場所が片側だけしかない為、リスクを回避できるメリットもあります。
片流れ屋根は窓も高い位置にとりつけることができるため部屋の中が明るくなり
さらに屋根の上に太陽光パネルを設置しやすいのも大きな特徴です。
太陽光パネルを屋根に搭載する場合は、南側の太陽に対してどれくらいの面積で屋根の面を向けることが
できるかが大きなポイントでそれによって屋根に搭載できる太陽光パネルの量が決まります。
南側に向かった一枚屋根の片流れ屋根だったら効率よく太陽光パネルを乗せることが出来ます。
片流れのデメリット
片流れ屋根は窓を高い位置に設置することが出来ますが、その分高くなることを意味します。
そのため特に家の北側が高くなる場合は日照の関係で隣家に影響が出てくる可能性が非常に大きいので
住みはじめてからトラブルにならないよう配慮が必要となるケースがあります。
ちなみに、北側の家に光が当たらなくなって暗くなってしまうことを制限する為に
北側斜線制限というものが設けられています。北側斜線制限については後述します。
また屋根面が北向きの場合は太陽光パネルをつけることができません。
雨樋の数が少ない分、一面でうける雨量が多くなるのでそれに応じて大きな雨樋が必要になります。
そのため雨をスムーズに排水する為の屋根勾配が必要になります。屋根勾配が極端に緩い場合
屋根に雨が溜まってしまい雨漏りのリスクが高くなります。
まとめ
- 片流れ屋根=片方のみに傾いたモダンな形状の屋根
- メリット1:極小住宅でもOK
- メリット2:低コストな上に太陽光パネルが設置しやすい
- デメリット1:屋根のない方角の外壁が劣化しやすい
- デメリット2:屋根の向きによっては太陽光パネルの設置が不可
方形屋根(図-緑屋根)
方形屋根は形的には寄棟屋根に似ていますが、寄棟屋根には大棟があるのに対し、方形屋根には大棟がなくピラミッド型の形状をしています。
つまり屋根の頂上が線になっているのではなく、点になっているのが大きな形的特徴で、1つの点から4方向へ同じ角度で傾斜している屋根です。
基本的特徴は先にあげた、寄棟屋根とかわりません。
方形のメリット
方形屋根は、屋根のてっぺんに当たる棟が建物の中心に来ます。そのため建物のバランスのとれた美しい外観や間取りをつくることが出来ます。
雨が多い地域でも傾斜に沿って4方向に雨が流れていき、はけが良いのが大きな特徴です。
方形のデメリット
4つの下り棟が1点に集まってしまうため、その中心点である「X」の「かき合い」が弱いことが特徴です。そのため雨漏りには注意しなくてはなりません。
まとめ
- 方形屋根=4つの方向に屋根が配置されたピラミッド型の形状
- メリット:排水がしやすく外壁が傷みにくい
- デメリット1:太陽パネルが設置しづらい
- デメリット2:雨漏りのトラブルが発生しやすい
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