施工管理のプロが解説!住宅で悩むコンセントの位置。
実際、家の計画、工事中にはどこが失敗しているのか気付かないものです。
間取り(平面計画)は実際出来てからでないと解りずらい部分が多々あったりします。
かといって、建物が出来てから後悔してもどうしようもありません。
後悔しないためにも、動線を考え、イメージして設置する必要があります。
又、コンセントも何処でコンセントを使うのか?をよく考えて設置することが重要です。
いろいろ考えて家造りをしているけど、実際失敗することがあります。
なので少しでも、そのリスクを減らすために失敗したと思った方々の
実際、家を建ててからの失敗談を集めてみました。
コンセントやスイッチの位置が使いづらい
数が足りないなど「配線」の失敗は常に上位に挙げられる。
必要な場所、個数は使うシーンをイメージして設置することが重要です。
『ここにもスイッチをあった方がよかった』コンセント位置は新築住宅では
失敗あるあるランキングでも必ず上位にでてくる失敗常連というわけです。
注意
とりあえず、適当に「多く設置しておけば間違いない」とコンセントを増やすのはやめましょう。
・コンセントが多すぎると部屋がうるさく見える。
・コンセント一か所につき税金が加算される。(自治体によって違いがあります)
よく聞く失敗事例ランキング
失敗体験
コンセントが家具の裏に隠れてしまって不便
キッチンのコンセントが足りない
コンセントが足りなく、付けたり外したりしながら使っているので面倒。
極力コンセントを少なくした
廊下はコンセント1か所でいいと思ったが失敗
コンセントを使わなければならないので差し替えるのが面倒 。
特に長めの廊下の場合はコンセントが1か所だと不便になることがあります。最低居間から出た付近と玄関付近に設置すると良いでしょう。
キッチンカウンターにコンセントが無い
子供部屋のコンセントは対面2か所で十分と思っていた
机を置くとそれだけで使いきってしまうので、他にもコンセントを設けるべきだった。また、子供部屋は模様替えが度々あるので多いので、壁1面に1か所で3か所はつけるべきだった。
失敗しないために確認すること
家づくりでちょっとした失敗をしてしまったと聞くことがあると思いますが
聞く分には「あらあら」と思って笑い話的な感覚でお話することがあると思います。
しかし、住んでいる本人にしてみれば、直さない限り一生その失敗と付き合っていかなければなりません。
そんな中でも特に失敗が後をひくなぁ~~と感じているのが、コンセントの位置なのです。
これはいずれも家づくり全体から見ると非常に地味な部分です。
中には、さほどこだわらず建築会社に任せてしまうという人もいるでしょう。
しかし照明スイッチもコンセントも、ほとんど毎日のように使用するものであり
使い勝手の悪さが地味にストレスになります。
しかもこうした電気関連の設備というのは、後から位置を移動したり
新たに追加することは基本的にできないと思っておいた方が良いでしょう。
露出で壁に線がむき出しになっても良いという方は何処にでも設置することは出来ます。
しかし、せっかっくの新築住宅では避けたいものです。
時間が取れるかたは是非、建築中(壁ボードを張り付ける前くらい)に実際に現場を
確認してイメージをつかむかとをお勧めします。
※コンセントの位置は工事現場で確認する!
確認する内容
- 配線計画は、ライフスタイルの変化による模様替えに対応できるように心掛け、余分に設置しておく
- 平面図又は電気配線図に家具や家電などを書き込んで、使い勝手を確認する
- 掃除機のコードの長さを事前に測っておいて、出来るだけ差し替えをしないですむ配線計画を心掛ける
- 照明スイッチやコンセントは使用するシチュエーションを意識して、手の届く範囲に配置する
- 扉やカーテンなどの可動するものについては、可動範囲を考慮して配線計画を練る
- 「必要かな?」「必要ないかな?」と迷った時は、取付けることを前提で配線計画を練る
- 照明スイッチやコンセントの位置、高さは使い勝手を優先して、住宅会社の標準施工にこだわらない
- エアコンコンセントの位置は冷暖房の効きや効率を優先して配置する(又、100vか200vか)
施工管理のプロがコンセントを決める時に考えること
自分がコンセントの位置決の時に考えることは・・・使用するであろう電化製品の数量と設置場所を
図面段階である程度落とし込み、どれだけの家電製品を設置するのか把握することから始めます。
そうすると、おのずとコンセントが何口のタイプがいくつ必要かおよそ解ってきます。
特に重要なのが、キッチン回りとテレビ・パソコン回りです。
いずれも、同時に使用する電化製品の数が多くなりがちな上に
家庭によって使用状況に大きく差が出やすいポイントなんです。
例えば料理好きでいくつもの調理家電を同時進行で使うという人と
キッチン回りはオーブンレンジと炊飯器程度でシンプルにまとめたいという人では
必要となるコンセントの数はもちろん、高さや位置も全く違うでしょう。
また、コンセントはなんとなく部屋の角部分に設置したくなってしまいがちですが
実際にそうしてみると、かなりの割合で家具や家電と
かぶって使えないコンセントが出てきてしまうのでそこは十分注意してください。
最初は良いのですが、生活をしていくと家電製品が増えてきます
コンセントが足りなくなって下の写真みたいな感じになっている
そんなお宅を「ま~~拝見します」
内部のコンセントも大事ですが、屋外のコンセントも必要なのか?
自分に問いただし検討することを忘れないでください。
ストレスが減るコンセントの位置【ベスト10】
① 玄関ドア近くの外壁面
クリスマスツリーやイルミネーション用
又、玄関前にカーポート等があった場合なんらかの作業する場合
②玄関カウンターの上
装飾用ランプ、リースのいるもネーションなどを置けた
③掃除機を入れる収納の内部
充電タイプの掃除機を収納内部で充電できてよかった
④オーディオやパソコン周辺
通常の2倍の量を付けておくことで、機器が増えても心配なかった
⑤掃除ロボット用として
掃除ロボットのホームベース用として準備した
⑥階段の踊り場
掃除機のコードが届かない範囲がなくなった
⑦寝室のベッドの枕元周辺
小さなスタンド用、スマホや携帯の充電用、充電式懐中電灯用
⑧ベランダや庭の外部コンセント
ライトアップ又は足元の照明、電気式芝刈り機用
⑨車庫の中もしくは駐車場脇
車内掃除用、充電式掃除機ではパワーが足りない
日曜大工で電動工具を使う時に便利
⇒電気自動車用に準備など
⑩キッチンシンク上、吊り戸棚の下部
ハンドミキサー等に。水がかからずコードが作業の邪魔にならない
部屋ごとに置かれる家電製品の一覧
リビングに置く家電製品
- エアコン
- 空気洗浄機
- テレビ
- DVDレコーダー
- 音響機器
- スタンドライト
- 電話
- スマートフォン・タブレット・パソコン
- インターネット機器・プリンター
- 掃除機
- アイロン
- ホットカーペット
- FFストーブ
この中でコンセントを確実に常時使用する家電は
- エアコン
- テレビ
- DVDレコーダー
- 音響機器
- 電話
- インタネットルーター
少なくてもこれだけの家電製品にコンセントが支配されます。
これだけでも二口コンセント3つが使えなくなる状況になります。
居間には固定される家電製品が多くありますので、コンセントは余裕をもって
設置する計画をすることをお勧めします。
【キッチンで使うもの】
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 電気ポット・電気ケトル
- オーブントースター
- ミキサー・ハンドミキサー
- コーヒーメーカー
- 炊飯器
キッチンにおいても固定される家電製品は
- 例倉庫
- 電子レンジ
- オーブン
- 炊飯器
キッチンでも2口コンセントは最低2か所必要となってくるでしょう。
※内1か所は冷蔵庫専用となるでしょう。
【ダイニングで使うもの】
- ホットプレート
- ポット・電気ケトル
- スタンドライト
- ノートパソコン
- 掃除機
【洗面所で使うもの】
- ドライヤー
- 洗濯機
- 電気ヒーターなどの暖房器具
- 掃除機
- 電動歯ブラシの充電
- 電気カミソリ充電
【玄関・廊下で使うもの】
- 掃除機
- 電話(子機)
- 除湿機・乾燥機
【トイレで使うもの】
- 温水便座
【外で使うもの】
- 高圧洗浄機
- 照明器具
- 電動工具
一般的なコンセントの【高さ】と【個数】
コンセントの高さ
コンセントの高さは一般的に床からコンセントの中心が25㎝程度の高さとなります。
ただ、使用するものに合わせて高さを変えてやることで使いやすくなったりします。
およその高さの参考にしてください。
- 勉強机・書斎机:70〜90cm
- 洗濯機用:105〜110cm
- エアコン用:180〜200cm
- 冷蔵庫用:150~180㎝
※高さは床からコンセント中心位置までの高さとなります
トイレの温水便座用のコンセントは、水しぶきが飛ぶことを考慮して
機器から少し離れた位置にコンセントを設けるといいでしょう。
このように、コンセントの抜き差しの頻度や使用する機器の特性を考えてコンセントの位置を決めましょう。
コンセントの数
コンセントの数の目安は下記のようになります。
- 居室4.5〜6畳:3個
- 居室6〜8畳:4個
- 居室8〜10畳:5個
- キッチン:6個
- ダイニング:4個
- 洗面所・廊下・トイレ・玄関:1〜2個
コンセントの位置を決める時に、掃除機をかける作業をイメージして考えると良いでしょう。
コードレス掃除機場合はさほど考えることもないと思いますが
コードがある掃除機は家の中全体で使う事を考えると
コンセントが無くて掃除機が使えない場所があると不便になってしまします。
掃除機のコンセントをどこからとってどう使うかをイメージして計画すると良いでしょう。
まとめ
コンセントは間取りやライフスタイルによって必要数や位置が変わってきます。
通常の高さはあくまで通常であって、自分に合った位置、高さに設けることが大切です。
建築会社や電気工事会社が提案する電気配線は、あくまでも一般的な基準で考えられたものでしかありません。
せっかく選択の余地がある注文住宅なのですから、ぜひ我が家らしく使い勝手の良い配置を考えてみてほしいと思います。